那須太社 錦輔 の日記

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日本政治のウラのウラ

2014-01-09 22:14:14 | 読書感想文

森嘉朗元総理の回顧録。

結構、裏話であったり悪口であったりを語っておられて中々面白かった。

聞き手の田原総一郎氏は森元総理相手には、保守よりの立場で発言をして、左翼系のマスコミの動きを批判しているが、氏が若いころ「朝まで生テレビ」では、体制側つまり進歩的文化人とか左翼リベラル側の立場にたって、保守系の論客をさんざん虚仮にしてきた姿を思い出すと、なんという都合の良い爺だ、と怒りを覚える。

また、森元総理は安部総理にやや批判的。安部総理は過激すぎる、ということになるらしい。

極端なことはいけない、和をもって尊しとする、みたいな哲学を誇りを持って語っておられる。

実際、プーチンからもっとも信頼されている日本人政治家らしいから、そういう和を大事にするところから培われる個人同士の信頼関係というのも、価値のあることなのだろうけど、なんか森元総理は和を尊しとするだけで、理念がないような気がした。元総理が好意的に語っている竹下元総理もそうだが、根回しをして事前に合意を形成し互いに角が立たないよう話をまとめるのが一番、みたいに言っているが、角を立てないことばかり考えて、肝心の理念が見えなかった。

実際ご自分のことをタカ派だといっておられる割に、政策についてはあまり語っておられず歯切れが悪いのである。

ご自分の父親についても語っておられるが、この方が硬派というか凄い人である。

旧軍人だが、出征するときは息子を抱いてやったらどうだ、と言われて断ったそうだ。部下を預かる身で柔弱な感情にとらわれないためだったという。また敗戦後に「生き恥をさらして帰ってきて、こんなに恥ずかしいことはない。大勢の仲間yは部下を死なせてしまった。だから、これから後は、戦死した同胞や遺族のために生きていくんだ。お前らのための親父じゃないぞ」と言われたそうである。

今でも、戦場で命を懸けて戦うような極限の環境におかれたら、こういう男が現れるのかもしれないが、自分には信じられない毅然さである。

当時はこんな親父が沢山いたのだろう。

 

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