COVID-19に対するワクチン接種と血栓症に関する査読前論文の報告
脳静脈洞血栓の発生率(/100万人)
・COVID-19:39.0人
・インフルエンザ:0人
・ファイザー社のワクチン接種後:4.1人
・アストラゼネカ社のワクチン接種後:5.0人
・健常者:0.41人
https://osf.io/a9jdq/
1) SARS-CoV-2は空気感染が主体で拡大する
2) オックスフォード大:「ヒトチャレンジ」で再感染に関する研究を開始
3) 菅首相がファイザーCEOにワクチン供給追加要請
4) 病床利用率:6府県が50%を超えるスタージ4、24都道府県がステージ3相当
5) 大阪専門家会議:「できる対策は全て行うことが求められる」
6) イタリア:48時間以内の陰性証明提示で乗車可能な列車の運行開始
7) インド:1日新規感染者は23.4万人で増加傾向、医療用酸素も不足
<NYTのインタビューに答えて>
「多くの建物の空気交換率は悪いため、ウイルスが空気中に蓄積されることで、大きな感染リスクとなりえます」
「WHOの用いている空気感染の概念はもう古いのです」
(2020/7/4 空気感染の専門家 Linsey Marr)
<大阪の第4波について>
「予断を持って推移を見守る段階ではなく、
できる対策は全て行うことが求められる」
(大阪府専門家会議座長、朝野和典教授)
<インドの感染拡大で医療用酸素と病床が不足>
「状況は厳しく、厄介だ」
(デリー首都圏 アルビンド・ケジリワル首相)
●SARS-CoV-2は空気感染が主体で拡大する
→Lancetに掲載された寄稿です。
WHOが資金提供したsytematic reviewが3月に出され、「空気感染については確定的ではない」とするプレプリントを公開したようですが、これに反論するものになっています。
「空気感染があるかどうかではなく、まさに空気感染こそが感染拡大の主体なのだ」と主張しています。
つまり空気感染>飛沫感染>>接触感染の立場です。
落下せずに長時間漂うためには、粒子径が5μm以下となる必要があることは科学的事実です。
しかし一方で、飛沫感染で想定している距離2mを超えた感染自体は必ずしも「長時間」漂う必要はなく、もっと大きなエアロゾルでも感染源となりうるはずです。
気流によっては到達距離や浮遊時間が延長する可能性もリアルワールドでは考慮すべきでしょう。
粒子径5μmのドグマから脱出し、空気感染の定義を「空気中に感染性粒子が存在し、2mを超えた距離でも感染が成立し、室内換気が感染防止につながるもの」と整理しなおしたほうが、具体的な感染対策として機能するでしょう。
実際、古典的な狭義の空気感染(麻疹、水痘、結核)もこの理解の範疇内で整理可能です。
Ten scientific reasons in support of airborne transmission of SARS-CoV-2
https://t.co/dvKZtu2Ecb?amp=1
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・WHOが資金提供しているプレプリントとして発表されたsystematic reviewには「SARS-CoV-2がサンプルから培養されていないため、空気感染について確定的な結論を出すことができない」と述べられている。このreveiwの結論が広く拡散している事は、公衆衛生の観点からは懸念すべき状況である
・感染性ウイルスが主にすぐに地面に落下するような大きな飛沫を介して拡散する場合、重要な感染対策は、直接接触を減少させること、環境表面を清潔にすること、物理的障壁をおいたり、距離を置く事、飛沫感染の半径内ではマスクを着用する事、咳エチケット、
そして、いわゆるエアロゾル発生リスクのある医療行為の際にさらに高度の防御を行う事、となる。ここでは屋内と屋外を区別する必要はない。
・しかし、感染が主に空気感染で広がる場合には、患者の息を吐いたり、話したり、叫んだ離、歌ったり、くしゃみや咳をした時に発生するエアロゾルを吸い込む事で感染が成立することになる。これを防ぐには、感染性エアロゾルの吸入を防ぐ対策が必要になる。
換気、空気の濾過、人込みや室内での滞在時間短縮、室内でのマスク着用、マスクの品質や密閉性に関する配慮、そして最前線で働く医療従事者にはより高度の対策が必要になる。
・SARS-CoV-2は主として空気感染する(transmitted primarily by the airborne route)事を裏付ける10の証拠が存在する。
・第一に感染拡大の多くはsuperspreading eventによって起こっており、これがパンデミックの主要因となっている可能性がある。
合唱団のコンサート、クルーズ船、食肉処理場、介護施設、矯正施設における人の行動や相互作用、部屋の広さ、換気などの詳細な分析結果では、長距離感染や基本再生産数(R0)の過剰分散が見られた(後述)。つまり飛沫あるいは付着物では説明できず、空気感染である事を示していた。
・第二に隔離ホテルにおいて、互いに接触のない隣の部屋の住民へ感染が長距離伝播したという報告がある。
・第三に咳やくしゃみのない無症候性または発症前の感染者からの感染伝播が、感染全体の少なくとも3分の1、恐らく最大で59%を占めている点も、本感染症が主として空気感染することを支持している
・第四に感染率は屋外よりも屋内のほうが高く、屋内感染も換気によって感染率が劇的に減少する。この2つの観察結果も感染が主として空気感染で起こることを支持している。
・第五に飛沫感染対策レベルのPPEを使用し、厳格な接触・飛沫感染対策をとられた医療機関でも、院内感染が起こっている。
・第六に空気中に生存ウイルスが検出できている事である。実験ではSARS-CoV-2は空気中で最大3時間、半減期1.1時間で感染性を維持していた。エアロゾル発生リスクのある医療行為が行われていないCOVID-19患者の部屋の空気サンプルや感染者の車からの空気サンプルからも、生存SARS-CoV-2が確認できている
空気中からウイルスが分離できないという報告もあるが、空気中のウイルス採取の技術的な難しさを考慮すれば当然の事とも言える。
・第七に患者のいる病院のエアフィルターや建物ダクト内でウイルスが確認できている事である。このような場所にはエアロゾルしか到達できない。
・第八に動物実験によって、感染動物からエアダクトでつながれた別のケージの動物に感染伝播が起こっており、エアロゾルのみで十分説明可能な感染伝播が確認されている事である。
・第九に我々の知る限りSARS-CoV-2の空気感染仮説を否定する強力な証拠を示した研究がない事である。R0を麻疹と比較した低さ(推定2.5 vs 15)から空気感染を否定する議論があるが、R0が平均値でしかなくSARS-CoV-2では感染者の中でも少数のみが大量のウイルスを排出しているという事実を考慮していない
感染者でも人により排出ウイルス量が異なり、換気条件の違いにより感染状況が異なってしまう。実際、SARS-CoV-2のR0値には過剰分散が見られている。
・第十に他の感染ルート、例えば飛沫感染や接触感染を支持するエビデンスが少ないという点が挙げられる。飛沫感染の証拠して物理的距離が近いほど感染しやすい事が挙げられているが、多くの例では、距離による感染率の違いは空気によるエアロゾルの希釈で十分説明可能である。
エアロゾルと飛沫の数の測定実験では、呼吸活動ではエアロゾルの発生数が圧倒的に多いことや、エアロゾルと飛沫の粒径の境界は恣意的な5μmではなく、正確には100μmが適切であるなどの欠陥が明らかになってきている。
エアロゾルよりも粒子径の大きい飛沫が多数の病原体を含むはずだという主張もあるが、粒子径と病原体濃度が定量化された疾患では、エアロゾルの方が飛沫よりも多くのウイルスを含んでいるという結果になっている。
・結論として、全体的なエビデンスの質と強度を無視し、一部の検討で空気サンプルにウイルスが検出されない事を持って空気感染に疑念を呈するのは、科学的誤り(scientific error)であると問題提起したい(propose)。
SARS-CoV-2の空気感染には一貫した強力なエビデンスがある。他の感染経路も考えられるが、空気感染が最も重要であると考えられる。公衆衛生コミュニティは、それに従い、さらに迅速に行動すべきである。
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・・・次スレッドに続きます。
・・・続きです。
→しかし、WHOがまだ「空気感染」という言葉にこだわっているとは驚きました。
WHO内の専門家集団も頭が非常に固いようです。
まあ時間の問題でしょうが・・・
科学も宗教の一種であるという意見がありますが、そういう側面が確かにあるのでしょう。
ただし宗教とは異なり、科学的誤りは同様に科学的手法により修正される自己修復機能を持っています。
以下は、以前(2020/7/7)に紹介したNYTの記事です。
32か国239人の科学者が「大きな飛沫であろうと小さな粒であろうと、新型コロナウイルスは空中を通じて吸い込まれ、感染させる」とWHOに公開書簡を送ったというものです。
「WHOの用いている空気感染の概念はもう古いのです」と。
239 Experts With One Big Claim: The Coronavirus Is Airborne
https://t.co/9dqLRifsag?amp=1
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・専門家集団は「密閉空間をエアロゾルが漂い、社会的距離を超えて感染が拡大する事を含めて空気感染」と定義している。
・4月上旬には36人の専門家グループが空気感染のリスクを考慮するようWHOに提言したが、委員会の見解は変わらず。
・咳や会話でエアロゾルは発生し、室内の空気中に蓄積することで感染拡大しうる。
・室内では距離を保っていてもマスクが必要で、室内では空気を循環させずにフィルターする方法を検討すべき。
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→論文として空気感染を最初に強調したのは、私の記憶する限りこのPNAS論文だと思います。
当初は、議論が飛躍していると厳しく批判され、科学者集団から論文撤回せよというジャーナルへの働きかけもありました。
実際、この論文では査読者を著者が指定していたなど、査読過程の不備を指摘する記事もNYTに出ています。
しかし、最終的にこの論文は現時点でも撤回されていません。
空気感染についても(それが主体かどうかは議論はまだあるはずですが)、多くの科学者でほぼコンセンサスが得られている状況になっていると理解しています。
WHO以外は・・・です。
Identifying airborne transmission as the dominant route for the spread of COVID-19
https://pnas.org/content/117/26/14857
●オックスフォード大:「ヒトチャレンジ」で再感染に関する研究を開始
→1年かけて、再感染時の免疫応答や感染に必要なウイルス量などを検討すると。
発症した場合には、リジェネロンのカクテル抗体製剤で治療して、感染性がなくなるまで隔離措置を講じると。
「ヒトチャレンジ」試験の安全性も同時に確立されれば、今後、ワクチンの有効性の持続期間などの知見もチャレンジ試験で得る事ができるはずです。
意図的なコロナ再感染、元患者対象に 英オックスフォード大が実験
https://t.co/y1VbGPSIG7?amp=1
●日本の状況
→東京都の推移
東京都 新型コロナ 543人感染確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210418/k10012981851000.html
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都内で新たに543人が新型コロナウイルスに感染していることを確認
都の基準で集計した18日時点の重症の患者は17日と同じ45人
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スケジュール通り供給される事を願いますが、一方で実現すれば、日本がお金でmRNAワクチンを確保する事で国際的批判を浴びるのも確実でしょう。
難しい問題です。
菅首相 ファイザー社CEOと電話会談 ワクチンの追加供給を要請
https://t.co/p8VNi09UDn?amp=1
→全国30都道府県で確保病床利用率は20%超え
6府県が50%を超えるスタージ4、24都道府県がステージ3相当と。
これでも「おおきなうねり」とはまだ呼べないのか?
コロナ病床使用率、福井県28%超 大阪や兵庫などは6府県で50%超、ステージ4相当
https://t.co/nOJ7CRimNm?amp=1
→感染拡大に歯止めがかかっていない大阪
14日の専門家会議では「できる対策は全て行うことが求められる」という意見が出たようです。
全くもって同感。
すでに緊急事態宣言を出し惜しみしている段階ではないと思います。
コロナ第4波拡大止まらず 「あらゆる対策を」
https://nnn.co.jp/dainichi/news/210418/20210418027.html
→イタリア:48時間以内の陰性証明提示で乗車可能な列車の運行開始
ローマとミラノを結ぶ区間で始めるようです。
ワクチン接種の有無は無関係。
予約で出発当日に駅で無料検査も実施可能で陽性の場合、運賃は全額返金。
他の区間にも拡大予定と。
https://t.co/ip9dTMe412?amp=1
→インドの1日の新規感染者は23.4万人で現在も増加傾向
感染拡大は全国的で、主要都市は週末にロックダウンが導入されたと。
医療用酸素が不足しているというのは深刻です。
ブラジルでは、今年1月にマナウスで患者が急増した際に、酸素がなくなってしまい呼吸不全の入院患者が多数死亡するという悲劇が起きています。
同じような事がインドでも起こりうる可能性があります。
印首都の新規感染者、過去最多の2万4000人
https://t.co/DisW283K75?amp=1
https://u-presscenter.jp/article/post-39661.html 近畿大学 トリチュウム と打つと出て来ますよ