そこで井手氏は講演などで、パソコンのWord文書の画面を黒地にする方法などを提案しているという。Word2007の場合、背景色の変え方は、上部にある「ページレイアウト」から「ページの色」を選び、「テーマの色」を黒に変更すればよい。黒にすれば文字は自動的に白抜きになるし、そのまま印刷しても白地の黒文字にプリントされるので、設定を変える必要はなく便利だ。
iPhoneにも白黒反転法はある。「設定」→「一般」→「アクセシビリティ」→「ホームをトリプルクリック」と進み、「色を反転」にチェックを入れるだけだ。その後は3回ホームボタンを連打すれば、白黒を反転させられるようになる。ただ、写真などもすべて色が反転してしまうため、常にこの状態で使うことは現実的ではない。テキストベースのウェブサイトやメールなどを読むときには使えるので、覚えておいて損はない。
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「自分はまだまだ」と軽く見ることなかれ。40代を過ぎると、誰の目にも共通に「老眼」が始まる。老眼を放置して無理にピントを合わせようとすると、目の疲れや頭痛が悪化する一方だ。今日からできる対策と、目の最新治療もおさらいしておこう。
老眼とは「水晶体の調節」がうまくいかなくなること
近くを見るときには毛様体筋が緊張して水晶体を分厚くし、ピントを調節している。40代以降になると水晶体が徐々に硬くなり、毛様体筋が頑張っても変形しにくくなる。近くを見ようとするとぼやけるようになるのはそのためだ
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最近白髪が、顔のたるみが……と見た目の老化が気になり始めていたら、その老化は「目」にも起こっていると自覚しよう。
そもそも目のピント調節力の低下は、10代のころから始まっている(グラフ)。しかし、若いときは水晶体が柔軟で、近くを見るときには毛様体筋にぐっと力を込めると、水晶体が簡単に分厚くなり、ピントを合わせることができる。しかし、40代を過ぎると水晶体が硬くなり始め、毛様体筋が緊張しても分厚くなりにくくなってくる。「読書などに支障をきたすようになる平均年齢は45歳といわれるが、40歳を過ぎるころから何らかのトラブルを感じ始める人が多い」と梶田眼科(東京・港区)の梶田雅義院長はいう。
若いころに目がとてもよかった、“メガネいらずの人”は遠視気味の人で、「遠くや、中間地点のものを見るときにも水晶体を分厚くしている。近くを見るにはさらに厚みを増さないといけないので、近くの見えにくさが早い段階で始まり、同時に遠くも見えづらくなる」と、南青山アイクリニック東京(東京・港区)の戸田郁子院長。
水晶体の硬化やピント調節パワーの低下は誰にでも訪れる現象。どんな自覚症状が表れるのか、見ていこう。
老眼が引き金になって目の不調が悪化――全身の疲れも老眼が原因?
40代以降になれば誰にでも始まる老眼。実は、雑誌や新聞など近くのものが見えにくい、と自覚したときには老眼はすでに進行しているという。
梶田院長は「老眼の初期症状は、目の疲れや肩凝りとして表れる。また、近くのものがぼやけると単に『視力が落ちた』と勘違いし、遠くがよく見えるメガネに作り替える人がいるが、近くがさらに見えづらくなり、目の疲れが増してしまう」と注意を促す。
老眼は誰にでも起こる症状だからといって放置してはダメ。「見えにくいところを無理矢理ピント調節して見る、という生活を続けると、頭痛や肩凝りなど全身の不調が悪化する」と、戸田院長。もともとドライアイや眼精疲労がある人は、老眼によって症状がひどくなりやすいというから気をつけよう!
目の不調を呼ぶ病気 |
老眼 |
年齢とともに水晶体が硬くなり、水晶体の厚みを調節する毛様体筋も衰えて「近くが見えづらくなる」状態。ほとんどの人が、40歳を過ぎたころから自覚し始める。見えづらさを感じているのに放置すると、目の疲れが悪化して、頭痛や肩凝りなど全身の不調にもつながる。 |
眼精疲労 |
目が重い、目が痛い、しょぼしょぼする、かすむ、充血するなど目に表れる症状のほかに、頭痛や肩凝り、吐き気などの不調も起こる。合わないメガネやコンタクトレンズ、老眼やドライアイによって起こることもあり、その場合は原因を取り除くことで症状が緩和できる。 |
ドライアイ |
涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下することによって目の表面が乾いてしまう病気。老眼に加えてドライアイがあると、目の疲れが非常に強くなる。目の乾きやゴロゴロする感じ、涙がしみる、充血するなどの症状も。パソコン作業の多い人、コンタクトレンズ使用者にも多い。 |
目の疲れをスッキリ取るために今日から始めよう! 目の3大基本ケア
太陽光や照明の映り込みを防ぐ
パソコンのモニター画面に直射日光や照明が映り込み、画面に極端な明るさの差ができると目の疲れがてきめんに悪化。外光はブラインドなどで遮断し、モニター画面の向きも調整しよう。
パソコン画面のフォントは大きく
見えづらくなった、と自覚したら、すぐにパソコンの設定を見直して。ディスプレイの輝度を少し下げたり、カッコ悪いといわず文字のフォントを大きくしよう。
パソコンを見下ろす角度にする
モニター画面を見上げるような角度では、まぶたを大きく開ける必要があり、目の乾燥が加速する。画面を軽く見下ろすくらいの角度になるよう、モニターや椅子の高さを調節しよう。
資料はプリントアウトして読む
ずーっとパソコン画面とにらめっこする習慣とはサヨナラ! 資料はこまめにプリントアウトして、ちょっと姿勢を変えて読む、など、意識的にパソコンから目を離し、リフレッシュする。
エアコンの風を目に当てない
エアコンの風が目にあたると、ダイレクトに目の表面から水分を奪い取ってしまう。どうしても避けられないときは、こまめに目薬を差すなどして目の保湿対策をおこたりなく。
【基本ケア・2】目を温めて緊張を緩め涙の分泌アップ
目を酷使した日は、その日のうちに疲れを解消してしまおう! 目に蒸しタオルを当て、タオルが冷めるまでのんびりくつろぐといい。「血液循環が高まり、疲れ目解消にいい。ただし、目を温めたあとに再び仕事をすると、かえって目の負担が増し、疲れが悪化するので注意を」と梶田院長。「目を温めると、涙に脂分を補って蒸発を防ぐ『マイボーム腺』の詰まりも改善されやすくなる。涙が目にしみる、蒸発タイプのドライアイの人にも温め対策はお薦め」と、戸田院長。
目のリラックスタイムを持とうと思っても、忙しいとなかなかその時間をつくることができないもの。気がついたときに、こまめに視線を移そう。「職場では、10分に1回ほどを目安に、楽にピントを合わせられる遠目の距離のものをぼんやり眺めるといい。また、近くのものに2~3秒ピントを合わせたあと、遠くのものを2~3秒見るという動きを繰り返すと、毛様体筋を適度に鍛えて老眼をある程度予防できる」と、梶田院長。通勤時間は毛様体筋をトレーニング!
目の老化を食い止めるためにこちらもぜひ行いたい――目の3大プラスケア
紫外線は、水晶体や網膜など目の奥の組織にまで到達し、活性酸素による目の老化を進める。屋外で長く過ごすときや運転中はサングラスでUVカットすることが、白内障や加齢黄斑変性の発症を防ぐことにもつながる。「注意したいのは、黒いサングラスでUVカットされてないもの。黒いサングラスをかけると瞳孔が大きくなり、さらにたくさんの紫外線を取り込むことになる」(戸田院長)。サングラスを選ぶときは、必ずUVカット機能がついているものにしよう!
眼科で処方箋をもらおう
老眼かも、と思ってメガネを作るときは、眼科で処方箋をもらおう。「眼科では、視力低下を起こすほか病気が隠れていないかをまずは検査する。また、日常でどんな作業が多いか、乱視の有無などを確認したうえで、時間をかけて処方箋を作るので、日常使っても疲れないメガネを作ることができる」と梶田院長。
仕事用、運転用など使い分けもあり
老眼メガネといえば「遠近両用」のイメージがあるが「手元を見る作業とパソコン画面を見る作業が多いなら、近距離と中間距離を見るのに適したメガネにもできる」(戸田院長)。老眼メガネは「老眼初期の段階で作るほうが、遠近の落差が少なく慣れやすい」(梶田院長)。手元を見る仕事用メガネと遠くを見るときの運転用メガネを使い分ける方法もある。なお、老眼は徐々に進行していくため使って数年後には度数を強める必要が出てくる。
老眼用コンタクトもある
1枚のコンタクトレンズで遠くと近くを見ることができる「遠近両用レンズ」もある。ただし、ドライアイやアレルギー症状がある場合は使えないこともあるため、眼科で相談してみよう。