米の胚芽に放射能が溜まり易いので駄目だけれど、いい油なのにね。
放射能汚染がなければ。
現在、オリーブ油(揚げ,炒め)、ゴマ油(調味用)、シソ油(ドレッシング)、麻の実油(ドレッシング)を使用。
身体にいい米油
植物油には、消費量が多い順に 菜種油、大豆油、コーン油、こめ油、サフラワー油、ゴマ油、綿実油、ひまわり油などがありますね。このうち、唯一国産原料だけで製造されているのが、こめ油です。私たちが主食としているお米から作られるこめ油には、他の植物油には無い、体に良い優れた特徴があります。その特徴とは、いったい何でしょう?
●こめ油とは
白いお米から油がとれるのかと思いますが、こめ油の原料は玄米を削って精白米にするときにできる米ヌカです。米ヌカは、玄米の表層部分や胚芽で、油を20%も含んでいます。米ヌカには精白米にはないビタミンやミネラルがたくさん含まれており、油に溶けやすい成分も少なくありません。ですから、米ヌカを搾ったこめ油には、玄米が持つ健康パワーが凝縮されています。
それに、おいしさも保証済み。せんべいやあられの香ばしさを出しているのは実はこめ油です。それを利用しているのが、ポテトチップス。あのカラッとしたおいしさは、こめ油のおかげなのです。また、マヨネーズ、ドレッシングなど幅広い料理にも使用されています。特に揚げ物にすると風味が良く香ばしいと高く評価されており、高級料亭やレストランなどでも使われています。
●酸化されにくく、汚れにくい
揚げ物をしたときに、調理する人は油のにおいで胸がいっぱいになったり、天ぷらを作った人は自分で食べる気がしなくなったりします。これは、加熱で油酔い物質が発生するのが原因です。こめ油は、γ‐オリザノールなどを豊富に含んでいるため加熱安定性が良く、油酔い物質の発生が他の油に比べて、大変少ないのです。180度で3時間加熱したときに発生する油酔い物質を測定したところ、こめ油から発生する油酔い物質の量は、菜種油の3分の1、大豆油の2分の1でした。
また、こめ油は酸化されにくく、汚れにくい性質をもっています。他の油だと、一度使っただけでも、酸化して劣化しますが、こめ油には酸化されて劣化しやすい高度不飽和脂肪酸の割合が少ないため、酸化される割合がひじょうに低いのです。また、揚げ物をした鍋への附着物が少なく、片付けにも手間どりません。揚げ物や炒め物と調理する植物油のなかでも、こめ油は風味も作業性も最適です。
今ではオリーブ油が主流のイタリアでも、こめ油は注目されています。オリーブ油は、単価不飽和脂肪酸を多く含む油で、熱に強くリノール酸を多く含む油などに比べて、酸化されにくい油といわれています。酸化されにくいといわれるオリーブ油よりも、こめ油はさらに酸化されにくいため、どんな調理にでも安定して幅広く使えるのです。
●コレステロールを下げる
以前リノ-ル酸はコレステロールを下げるともてはやされましたが、最近はリノール酸は悪玉コレステロールとともに善玉コレステロールも下げてしまうので、αリノレン酸のほうがいいとされています。コレステロールを下げる効果としては、食用油のなかでこめ油が最も高いことがわかっています。血清中のコレステロール値の変動の実験でも、コーン油や菜種油よりも悪玉コレステロールであるLDL(低密度リポプロテイン)コレステロールを低下させました。その理由は、悪玉コレステロールを下げる植物ステロールの量が抜群に多いからなのです。
植物ステロールは、コレステロールとよく似た物質で、コレステロールが小腸で吸収されるのを抑える性質があります。大豆油の植物ステロールは、コレステロールを下げるマーガリンに配合されて海外で商品化されています。しかし、こめ油は、大豆油の6倍もの植物ステロールが含まれています。その薬効は認められており、高脂血症の治療薬γ‐オリザノールや抗ガン作用のトコトリエノールは、こめ油特有の成分です。
こめ油は米糠油や玄米油などという商品名で販売されています。値段は高めですが、おいしさと健康効果を考えれば、高いとはいえないかもしれません。
●γ‐オリザノール
食用油1グラムのカロリーは9.1kcalで、澱粉やタンパク質に比べ倍のカロリーを持っています。それだけでなく、油が共存することによって、野菜に含まれるビタミンEやプロビタミンAであるβ‐カロチンの吸収が高められます。植物油には、多少なりともトコフェロールが含まれていますが、こめ油には、トコフェノールの中でもビタミンEとして生理活性が強いα‐トコフェロール、α‐トコトリエノールを多く含んでいます。ビタミンEは、過酸化脂質の生成を防ぎ、リノール酸の体内で重要な生理作用をつかさどる活性物質への移行をスムーズにするほか、血行を良くし、ホルモンバランスをとるなどの作用があります。
さらに、こめ油の中にはγ‐オリザノールという成分が、約0.2~0.5%含まれています。これは、他の食用油にはないもので、油が酸化するのを抑制する作用があるほか、生理的に成長促進、自律神経失調症の緩和、性せん刺激作用やビタミンEにも似た作用を持っています。むち打ち症に治療効果があるとして、医療品としても認められています。
また、こめ油は特有の成分、トコトリエノールを多く含んでいます。 この成分は、ストレスなどによって発生する活性酸素の害から体を守ると言われており、近年、高コレステロール血漿や動脈硬化、ガンなどに対する治療効果 も報告されるようになり、米国を中心に注目を集めています。
このように、こめ油は構成する脂肪酸のバランスが良く、多くの栄養成分が相互作用しあって、人間の生理に活性を与え、健康に寄与しています。
●肌の美白効果にも
米ヌカ抽出成分の「γ-オリザノール」は、血行をよくするとともに、皮脂の分泌を促し、老化した角質を取り除く一方、皮膚の表面を膜で保護する働きをもっています。また、シミの原因となるメラニン色素の成分過程の酵素、チロシナーゼの活性を阻害しその増殖を抑える美白効果もあります。同じく米ヌカに含まれる「フェルラ酸」は、紫外線吸収作用があり、科学的にも証明されています。