スカーレット手帖

機嫌のいい観客

レ・ミゼラブル -ひびけ民衆のうた!!-

2013-10-07 | 観劇ライブ記



ブレテールー

舞台でレミゼは初でした。
今回から新演出ということだったらしいけど、前もそうだったのかわかんないけど
とにかく展開がハヤー! で、たぶん映画見てない人はわけわからん状態になったシーンも
多かったんじゃないかと思いました。


しかしほんとに、そんなことを全部ひっくるめてもあまりある感動。
全私が泣きました。
エリザベートは女王様の物語だったけれど、レミゼは男性(女性もいるが)の生き様の話。
民衆のたくましく強いハーモニーがとっても魅力的でした。

まず何よりも、主役が圧倒的すぎる。
以前劇団四季にもいたキム・ジュンヒョン
他の男性キャストが誰も到達できない境地に達していたと思う。別格だった。
濃密でのびやかで力強く、ファルセットではしんみり泣かせる歌声。
悲愴な決意を胸に、最後まで愛に生きたジャンバルジャンがそこに降臨していました。
そしてたたずまいがすばらしい。主役の器ということか。華がありすぎ。
同行者が逆に、「主役しかできないんじゃない、あの人」と言ってましたが、まさに。
前に四季にいたときに「ジーザス・クライスト・スーパースター(ジャポネスクver)」で
主役をやられてたときも見ましたが、あのときも立ち姿がすごかった。リアル神様だった。
今回も神がかってた。すばらしい瞬間を見られてほんとによかった。

これに対峙するジャベール役の人は大変ですね。
なんかバルジャン見てるうちに「あーもう、ぜんぜんジャベールが足りない」という感じになってしまい、
死んじゃうシーンも彼の葛藤がぜんぜんぐっと入ってこず。
映画はどっちかっていうと、割とシュっとしたバルジャンを、こってりコテコテ重厚なジャベールが追いかけまくる
という濃いいかんじだったので、物足りなかった。


あと、ファンテーヌとエポニーヌとガブローシュはよかったなぁ。
ファンテーヌさんのソプラノよかった。なんか「達者」な人でした。
映画よりもお母さんぽかったかな。娘を思ってる感、あったわぁ。泣いた。

清史郎くんは上手いな! 安心して観ていられる役者。
映画よりも、ちょっとお兄さんなガブローシュでした。
このまま東宝ミュージカル路線で進んで行って、そのうちマリウスとかやっちゃうんでしょうか。

マリウスは顔がちょっとでかくて、若干老けたアイドルみたい(歌はまろやかでめっちゃうまいけど)なのと、
コゼットは髪型はもうちょっとどうにかならないものか
(くるくる前髪付きの茶髪かつらがなんかもっさり。あの前髪やめて、あと金髪にすればよかったんじゃないかと思う)
という感じがしており、
ふたりとも歌はとっても上手いんだけど、見た目がちょっとおもしろいので、恋が喜劇に若干見えたかなぁ。
ていうかやっぱりマリウスのキャラクターの坊ちゃんぶりに対して、
映画のとき同様腹が立ってしまう私でございました。

エポニーヌはほんとうにかわいそうな娘だよ。
演じる昆夏美ちゃんがホントにかわいらしく、意地っ張りなキャラクターを
みごとに等身大に落とし込んで演じていたので、ついつい必要以上に感情移入してしまった。
むちゃくちゃな両親のツケを一身に払わされている(?)エポニーヌ。
惚れた男はアホボンてちょっと救われなさすぎ… でも腕に抱かれて死ねるから幸せとか…
こんな不条理なのが人の世なのね、とすごく思わされる、おもしろい役です。

テナルディエ夫婦はやりたい放題でいいね。
旦那のほうはもうちょっとマヌケな感じでもいいかと思った。
森公美子は、もう、「森公美子」という役名でもいいんではないか。
とちゅう、口にものを入れ過ぎて歌えてなかったけど
会場に笑いを巻き起こしてブリブリ帰って行ったから楽しそうでよかった。

アンジョルラスが窓から落ちて死んでダダーン! のインパクトがなかったのでちょっとアレでしたが、
戦闘シーンはインパクト大!砦のむこうに敵がいっぱいいるんだなと思わせた。


もう最後は涙ボロボロ。
カーテンコールで出て来たキムさんが
子供コゼット&エポニーヌをだきしめてたのがかわいらしかった~

もちろん、スタンディングオベーションでした。


いやぁ、これまで東宝は
・モーツァルト ・エリザベート(2本
と見て来たけど、レミゼラブル、ダントツ1位です。
キャストのハーモニーと自分との相性もあると思うけれど、
よい回に来られてよかった。

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