平成30年度大学入試センター試験の受験案内配布が始まった。前年度からの大きな変更点はないが、受験案内をよく読み込んで、出願や受験方法についてきちんと理解することが大切だ。志願票の記入にあたっては、登録を間違えると、希望する科目が受験できなくなったり、受験したい大学に出願できなくなったりするので、よく理解した上で細心の注意を払うこと。
志願票は確認はがきや受験票が手元に届いてから、申し込んだものと照合する際に必要となるので、記入が終わったら必ずコピーを取る。出願期間は9月26日から10月6日までなので、志願票の記入や検定料などの振り込み準備は早めに済ませておく。
センター試験は解答がマーク式なので、当然、機械が採点することになる。よくあることだが、数ある選択肢の中から最後の二択まで絞り込んでも最後で間違えてしまったら意味がない。それでは最初から分かっていないのと同じこと。正確な答えが導き出せるまで勉強することが大切。
中途半端な知識や理解が不十分だと最後で答えを間違えてしまう。マーク式の方が記述式より簡単だと思う受験生もいるかもしれないが、選択式だからといって甘く見てはいけない。
理科は,文系・理系を問わず,社会における自然科学,先端技術が関連する様々な分野において,問題の本質を見つけ,課題解決に導くための考え方の基礎となる教科です。このために,東京大学の学部前期課程(1,2年生)では,理科各類の全学生が物理・化学・生物を必修科目として履修し,文科各類の学生も高度な自然科学の授業科目を履修できるカリキュラムが組まれています。本学を受験する皆さんには,高等学校で理科の各科目を広く勉強し,理科に関する基礎的な力を身につけることを期待しています。このために,入学試験では以下の能力を判断するための問題が出題されますので,そのような力を養成する学習を目指してください。
1) 自然現象の本質を見抜く能力
自然現象を深く観察し,実物に即して現象の本質を見抜く発見力・洞察力を重視します。
2) 原理に基づいて論理的にかつ柔軟に思考する能力
自然現象に関する知識の正確さとともに,自然現象を科学的に分析し,深く掘り下げ,論理的に思考する能力を重視します。また,単なる計算力を問うのではなく,自然現象を定量的に考察する能力も重視します。求められる自然現象に関する知識は,現行の高等学校学習指導要領の範囲を逸脱することはありませんが,これらを十分に理解・消化し,論理的に組み合わせて活用する能力が求められます。
3) 自然現象の総合的理解力と表現力
自然現象は複合的な現象なので,一つの分野の特定の知識・技術のみではなく,幅広い分野の知識・技術を統合し総合的に理解する能力を重視します。また,得られた結論を,客観的に説明する科学的な表現力を重視します。
過去と現在,世界の各地域など,人間社会で一見バラバラに起こっている事象は相互に関連しています。それらについて一定の知識を身につけることはもちろん必要ですが,東京大学は細部にわたる知識の量ではなく,知識を関連づけて分析,思考する能力を重視します。そうした能動的で創造的な思考力は,暗記を目的とした勉強ではなく,新聞やテレビなどで報じられる現代の事象への関心や,読書によって養われる社会や歴史に対する想像力を通じて形成されます。そのため本学を志望する皆さんには以下の点を期待します。それに留意して学習に励んでください。
1) 総合的な知識
本学は,狭い特定分野の知識や能力(いわゆる「一芸」)ではなく,幅広く,総合的な知識を求めます。それが複雑な社会現象を理解する上での前提となるからであり,狭い視野から導き出される結論は独善的なものになりがちだからです。地理歴史の入試問題においても,幅広い分野からバランスよく出題するようにしています。ただし,入学試験の解答に必要とされる知識の程度は,現行の高等学校学習指導要領を超えるものではありません。
2) 知識を関連づける分析的思考力
地理歴史・公民の各科目では,便宜上の理由から,様々な知識が細切れに習得されることになりがちですが,そのような各分野の知識を関連づけて理解する能力が求められます。そのためには,入学試験で選択する科目だけに偏ることなく,地理歴史・公民の各科目を高等学校段階で広く学習し,複雑な社会現象を捉える眼を養うことが期待されます。入試問題において,地図,図表などの資料を用いた問題の出題されることがあるのも,単なる知識の量ではなく分析的思考力を測るためです。
3) 論理的表現力
本学は,思考を論理的に表現する能力を重視します。入試問題においても,分析的思考力と論理的表現力の双方を的確に測る目的で,文章で解答する論述式の問題が出題されます。