トヨタ自動車やJR東海、中部電力など全国の約80社の寄付金で設立された愛知県蒲郡市の中高一貫の全寮制男子校「海陽中等教育学校」で4日、第1期生101人の卒業式が行われた。
同校を運営する海陽学園の理事長、豊田章一郎トヨタ名誉会長や副理事長の葛西敬之JR東海会長らが出席。豊田会長は「グローバルな競争が厳しさを増しており、力を合わせて日本の明るい未来を切り開かなければいけない。人間味あふれるリーダーを目指してほしい」と激励した。
卒業生ほぼ全員が大学に進み、7割は国公立大学を志望、二十数人が東京大を受験した。また、早稲田大と慶応大に延べ49人が合格、2人が米国の大学に進む。進学実績は10日以降に同校のホームページで公表される。
式では卒業生代表の森岡慧さんが「バブル経済崩壊後に生まれ、震災を目の当たりにし、日本の苦労を見て育った。日本を活力みなぎる国にし、世界で活躍したい」とあいさつした。
慶応大理工学部に進学する愛知県一宮市出身の山内優さんは「寮生活を通し、考えて行動する力を身につけた。中小企業を助ける経営コンサルタントになりたい。中小企業が海外に買収され、技術が流出するのはもったいない」と話した。