「すぐ、コーヒー落とすから、飲んでいってよ」
「落とす」という言葉が心地よく響くのは、コーヒーを淹れること以外には無いのではないかと思います。(私の私見です!)
今でこそ自宅でコーヒー豆を挽き、中には焙煎から自分でやり、ペーパー・ドリップなどでコーヒーを淹れることは普通に行われるようになりました。コーヒーメーカーとかバリスタマシンとか呼ばれる家電製品も販売されており、本当に手軽に美味しいコーヒーを淹れることができるようになりました。
私がコーヒーを飲み始めたのは1967年(昭和42年)の春、大学に進学してからで、喫茶店を利用していました。この頃は、『コーヒーは喫茶店でしか飲めないものだ』といったような時代的先入観がありました。
当時、多くの喫茶店では20~30杯分の抽出コーヒーが入る琺瑯製の寸胴に櫓をたて、ネルフィルターでドリップしていました。喫茶店のマスターがドリップする所作が“カッコヨク”思えたものです。
また、その頃の青春映画の一シーンで、(時の憧れ 石原裕次郎が)自宅でサイフォンを使ってコーヒーを淹れているのを見、何とも化学実験的で、惚れ込んでしまいました。
私がコーヒーを初めて自分で淹れたのは、1968年(昭和43年)秋でした。
すっかり惚れ込んでしまったサイフォンをアルバイトで稼いだお金で購入したのです。
熱源はアルコールランプ。メタノール(工業用アルコール)を使うので、印鑑を持って近所の薬販店に行き、購入していました。手挽きのコーヒーミルも買いました。竹箆は自分で作りました。
この頃はまだ、豆の入手が困難だったのですが、西友ストア大泉学園店で焙煎済みの豆を少量ずつ購入していました。
本当にワクワクしながらコーヒーを淹れていました。練馬区大泉学園の4畳半一間のアパートで。
時は "かぐや姫" (南こうせつ、伊勢正三、山田つぐと)が歌う「神田川〔1973年(昭和48年)リリース〕」が描写する時代です。
その翌年、1974年といえば、私が神戸に住み始めて初めての正月を迎えた年です。この年には、長崎の端島(軍艦島)が炭鉱を閉鎖し無人島になりました。パリではシャルル・ドゴール空港が開港しました。また、前の年の1973年には、東京教育大学が閉校しつくば市に筑波大学を開校。太陽銀行と神戸銀行が合併し太陽神戸銀行が誕生。イトーヨーカ堂がセブンーイレブン(当初の社名はヨークセブン)設立。コインロッカーに乳幼児を遺棄する捨て子事件が発生し、コインロッカーベイビーと呼ばれ社会問題化した。渋谷ではPARCOの開店があり、若者の街・文化が新宿から渋谷へと移っていった。など目まぐるしく日本が揺れた頃でもありました。
コーヒーをそれなりに淹れたくて、1974年(昭和49年)にはノウハウ本も購読しました。
書名:コーヒー入門〔単行本(ソフトカバー コンパクト版-小B6判)〕
― いれ方・楽しみ方付開業の手引き ―
(イケダ3Lブックス)
著者:上島忠雄
発行所:株式会社 池田書店
初版発行日:1974年(昭和49年)1月15日
ジャンル;暮らし・健康・料理/クッキング・レシピ
今は手軽なコーヒーメーカーやペーパー・ドリップの用具が安価で手に入ります。
サイフォンも取扱いは簡単です。コーヒー豆もいろいろなものが入手し易くなりました。
私は最近、ペーパー・ドリップの用具を購入し、ペーパー・ドリップでのコーヒー抽出に挑戦しています。
自分で焙煎して、ネル袋でドリップ、と凝ってみるのも一興です。 「自宅でコーヒー」を楽しんでみては?
★★★ コーヒーを淹れる「プチコツ」 ★★★
◇◇◇ 共通事項 ◇◇◇
①水
水は水道水で十分です。5分程度沸騰させれば、塩素分(カルキ)も抜け、コーヒーに適した水になります。塩素分を抜くために汲み置きした水や湯さましは、水に含まれる酸素や二酸化炭素が抜け、美味しさを損ないます。
“もっとおいしく”と思われる方は、ミネラルウォーターを使用されてもいいでしょう。軟水の場合はコーヒーの酸味が出やすくなります。あまり酸味を好まない方は、ミネラル分の多い硬水がいいかとも思います。
②コーヒー豆
焙煎済みの豆を、1週間程度で使い切るくらいの量を目処に購入します。
冷蔵庫の冷蔵室は低温である上に保存物を乾燥させるので、保管に適しています。
③コーヒーミル
コーヒーミルには手動のものと電動のものがあります。電動ミルの場合、フードプロセッサーのようにプロペラ式のものがありますが、粉の大きさが揃わず、美味しさが減少します。
手動、電動ともに『臼式』のものをチョイスしましょう。
◇◇◇ ペーパー・ドリップの場合の淹れ方 ◇◇◇
コーヒー豆は、中細挽きしたものを、一人分12gを目安にします。
買ってきた、挽いてあるコーヒー粉を使う場合は、10gを目安にします。
お湯は10cm程度の高さからコーヒー粉の中央に「の」の字を書くように、4度に分けて注ぎます。
このため、お湯のポットは注ぎ口が細いものが使い勝手がいいと思います。
①ドリッパーにペーパーフィルターをセットした中に、コーヒー粉を入れ、中央が少し凹むように均します。
②一人分あたり、20cc程度のお湯を注ぎます。お湯が満遍無くコーヒー粉全体に染み亘るようにし、下のコーヒーサーバーに4~5滴ポタッ、ポタッと垂れてくる程度がいいでしょう。
20~30秒間そのまま蒸らします。
③一人分当り80cc程注ぎます。
④このお湯が3分の2程度になったら、一人分当り40cc程継ぎ足します。
⑤お湯が3分の2程度になったら、一人分当り20cc程継ぎ足して終了です。
コーヒーサーバーに印刷されている目盛で調整してもいいでしょう。
お湯を注ぐ速度が速いと、酸味や甘味が出るし、ゆっくりだと苦みや渋みが出ます。好みの味になる速度を見つけるのも楽しみの一つになると思います。
◇◇◇サイフォンの場合の淹れ方◇◇◇
コーヒー豆は、中挽きしたものを、一人分15gを目安にします。
買ってきた、挽いてあるコーヒー粉を使う場合は、12gを目安にします。
①一人分当り、160ccのお湯を下部フラスコに入れます。
②ロートが付いた上部フラスコに布フィルターをセットし、コーヒー粉を入れます。
③下部フラスコの口に上部フラスコのロートを入れ、立て掛けます。口に差し込むのではないことに注意して下さい。
④アルコールランプに火をつけ、加熱します。
⑤下部フラスコのお湯が沸いたら、上部フラスコのロートを下部フラスコの口にしっかり差し込みます。
⑥お湯が全て上部フラスコに上がったら、竹箆で掻き混ぜ、コーヒー粉とお湯を馴染ませます。
⑦30秒程経ったらアルコールランプの火を消し、もう一度掻き混ぜます。
⑧下部フラスコにコーヒーが降りたら出来上がりです。
※ ⑥での掻き混ぜ方でコーヒーの味が決まりますので、どの程度が好みに合うか探って下さい。
②で使う「布フィルター」のメンテナンスについて
布フィルターは使用の前後に煮沸消毒します。
布フィルターは乾燥させないように、水に浸して冷蔵庫で保管。水は毎日交換します。
・・・(ちょっと面倒臭いですね!)
【関係先】
○ テイチクレコード PROFILE 石原裕次郎
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