富士重工業㈱が2月29日で、軽自動車の生産を終了したことが新聞で報じられていました。
現在、軽自動車はエコ(低燃費・安価)で人気が出てきていますが、経営資源を普通車に集中し、国際競争を勝ち抜くとの経営判断によるものとのことです。
富士重工業㈱といえば、その前身は中島飛行機製作所(1917年~1950年)であることは周知のことと思います。太平洋戦争中は、
・九七式戦闘機(きゅうななしきせんとうき)
連合軍コードネーム:Nate(ネイト)
・一式戦闘機(いっしきせんとうき)愛称「隼」
連合軍コードネーム:Oscar(オスカー)
・四式戦闘機(よんしきせんとうき)愛称「疾風」
連合軍コードネーム:Frank(フランク)
など主に陸軍向け飛行機を製造していました。
これらの戦闘機は、私が幼いころ読んでいた少年雑誌に掲載されていた漫画で馴染の深いものです。
そして、何より印象深いのが、軽乗用車のスバル360(Subaru 360 )です。
私が小学校四年生の時、ダイハツ工業の小型三輪貨物車ミゼットが発売された翌年の、1958年から1970年まで延べ12年間に渡り、約39万2,000台が生産されました。
わが国の軽自動車の草分け的存在です。
強制空冷2ストローク2気筒、自然吸気、356ccのエンジン。RR駆動。全長:2995mm、全幅:1300mm、全高:1335mm
愛称:てんとう虫
この愛称は、フォルクスワーゲン社の『Volkswagen Type 1』、愛称「Beetle(ビートル:かぶと虫)」に対比させたものと思われます。それ程に可愛らしい自動車です。
1969年8月に後継車スバルR-2が発売された後もしばらく併売されていましたが、翌1970年5月に生産終了され、少し寂しく思ったのをおぼえています。
そして今、軽自動車の製造販売からの撤退は、経営者の思いとは別に、一つの時代を作ってきたスバルがノスタルジアの世界に移っていくような気がします。
因みに、ダイハツ工業の小型三輪貨物車ミゼット(Midget)は、1957年8月発売。
全長2540mm、全幅1200mm、全高1500mm。乗車定員は1名でエンジンはZA型強制空冷2サイクル単気筒250ccガソリン。最高出力は10馬力。最高速度65km/h(カタログ値)。積載量は300kg。車両重量は350kg
(富士重工業㈱プレスリリース)