SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

ハーゲンだっつ!

2007年06月10日 18時39分54秒 | 器楽・室内楽関連
★モーツァルト:弦楽四重奏曲第22番・23番
                  (演奏:ハーゲン弦楽四重奏団)
1.弦楽四重奏曲 第22番 変ロ長調 K.589 《プロシア王第2番》
2.弦楽四重奏曲 第23番 へ長調 K.590 《プロシア王第3番》
                  (1986年録音)

もちろんこの記事を書こうと思った理由は、知人からハーゲン・ダッツのアイスクリームをいただいたことによります。
久しぶりにタイトルからオヤジギャグでかましてみましたが、いかがだったでしょうか?
記事の内容に何ら関係ないことは言うまでもありません。(^^)/

ハーゲン弦楽四重奏団の演奏は、実はこれら初期のものしか聴いていません。
とはいえこの楽団は私にとっては大変に思い入れ深いクァルテットでして、室内楽、否、もっと厳格に言えば弦楽四重奏曲を初めてディスクで聴いたのはこのモーツァルトのプロシア王2曲でしたし、モーツァルトの曲のCDのディスクもこれが最初に入手したものではなかったでしょうか?

そして、今は壊れて手放してしまいましたが先代スピーカーのソナス・ファベール社製の“コンチェルト・グランドピアノ”を導入して真っ先にかけたのもこのモーツァルトでした。
ソナスのスピーカーはやはり弦の音がたまらないんだろうと思ってチョイスしたんですが、ホントに嵌りましたねぇ~。
(^^)v
あのときの麗しい弦の絡み合いの綾は、今でもハッキリと覚えています。

この演奏の特徴は、ピッタリと合奏されていて水も漏らさないぐらいの精度に聴こえるにもかかわらず、よくある緊張感を伴った窮屈さがないということです。
語弊を怖れずに言えば、最良の意味でルーズなところがある・・・。
したがって、初々しく伸び伸びしたコケティッシュな演奏となっています。

モーツァルトはロココのギャラントな作曲家と評されたこともあったやに聞いておりますが、この演奏を聴くとそのような方にさえ満足されるような文字通り楽しい奏楽が展開されています。

ハーゲン四重奏団も後年になると、より成熟した表現を手に入れるのと引き換えにこうした美点(かどうかは判断によるんでしょうね)が後退していったように思います。
もちろんそれぞれの奏者の表現の幅は大きくなって行ったんでしょうけど、どうしても厳しい音響を追求していくようになってしまったんじゃないでしょうか?

ハイドン・セットやバルトーク、ベートーヴェンの演奏の一端を耳にした時にそう思ったものです。


★ハイドン:弦楽四重奏曲第67番《ひばり》、第74番《騎士》、第1番
                  (演奏:ハーゲン弦楽四重奏団)

1.弦楽四重奏曲 第67番 二長調 作品64-5 Hob.Ⅲ:63 《ひばり》
2.弦楽四重奏曲 第1番 変ロ長調 作品1-1 Hob.Ⅲ:1
3.弦楽四重奏曲 第74番 ト短調 作品74-3 Hob.Ⅲ:74 《騎士》
                  (1988年録音)

これも最良のハイドン演奏だと思います。
当然のことながら当時の彼等に最も相応しい選曲がなされているからなのでしょう。

よくある立派な隙のないハイドン演奏って、ホントにすごく“ごリッパ”なんですけれど「だからどうした?」と言いたくなってしまいます。
もうちょっと私のほうが立派になったら判るのかもしれませんが、それを期待できるものかどうかアヤシイ・・・。(^^;)

インティメートで精妙に合っているにもかかわらず、力が抜けて素朴におおらかに歌っている・・・それでいてご立派でない・・・この演奏が、もっともこの曲の等身大のよさを表しているように思います。

この曲のこの演奏にある要素を愛でるとするならば、別に古楽器であったりする必要はなく、弦楽器の擦れ音が麗しく響く性格のスピーカーとそれを生かすアンプで聴くだけで、無常のシアワセな時間が楽しめること請け合いです。(^^)/


★ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲《アメリカ》・コダーイ:弦楽四重奏曲第2番他
                  (演奏:ハーゲン弦楽四重奏団)

1.ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 作品96《アメリカ》
2.コダーイ:弦楽四重奏曲 第2番 作品10
3.ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲《糸杉》B152(抜粋)
                  (1986年録音)

くどいようですが、この時代のハーゲン弦楽四重奏団の演奏には素朴なおおらかさと溢れる歌があってとても聴きやすいんです。。。
新世界の音楽に触れたドヴォルザークによる、ややひなびた感じのこの曲にとっても、この時期のこのアンサンブルの演奏を得たことはとても幸せだったのではないでしょうか。

技術的・芸術的にこれを凌ぐ演奏ってきっとあると思うんですが、私が手にとって聴きたいと思うものはやっぱりこれでしょうね。(^^)/
ピアノ音楽を中心に聴いている私が、たまに他のジャンルを聴くという程度で考えるならば、これ一枚あればドヴォルザークの「アメリカ」は「間に合ってます!」と言っちゃっていいって思います。

収録された他の曲が有名なものかどうかはわかりませんが、この時期のこのクワルテットが手がけててくれたことにひとかたならぬ意義がある選曲になっていると思いますね。

天気のいい昼下がりにかけっぱなしにしておくと雰囲気がでる曲たちかもしれません。(^^;)

たまに、ふと聴いてみたくなる楽曲・演奏であります。

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