SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

神話

2007年04月26日 00時00分00秒 | 器楽・室内楽関連
★フランク:ヴァイオリン・ソナタ 他
                  (演奏:カヤ・ダンチョフスカ(vn)、クリスティアン・ツィメルマン(p))
1.フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
2.シマノフスキ:神話 作品30
3.シマノフスキ(コチャンスキ編):ロクサーナの歌 ~歌劇《ロージェ王》から 
4.シマノフスキ(コチャンスキ編):クルビエ地方の歌 ~ポーランド民謡の旋律による
                  (1980年7月録音)

先般、没後70周年の作曲家特集で採り上げたシマノフスキの“神話”が課題曲です。
何故ここで紹介しようと思ったかというと、この土日に留守宅に帰ったときに長男と次男が「クイズです。」といって寄ってきていうことには、「大神ゼウスの・・・・・」とか「冥府の番犬の名前は?」とか訊いてくるではありませんか。
てっきり、ポケモンのナントカというような出題しかないと思っていた私は、ギリシャ神話などを出典とするこれらの質問に「わからない」と答えて、説明させてみたところ、日本語はアヤシイながらも、ちゃんと内容は正しく覚えているわが子に感激してしまったのであります。
毎晩、寝る前に「星座のはなし」という本を読んでるんだそうです。エライぞ!!

先ほどの子供の質問には、実はマジで答えられない質問もあったんですけどね。(^^)v


それにしても、ペルセウスの件で、大神ゼウスが牢に閉じ込められたダナエの許に黄金の雨となって訪れペルセウスを身ごもらせた話を淡々とされた時には、ちょっとビビりましたねぇ。
まさか、クリムトの例の絵を子供に見せて説明するわけにも行かないので・・・。
子供も、「大神ゼウスってエロいんだよね!」と無邪気に言っておりますが、何をどこまで分かっているのかコワいですね。
てなわけで、とっととメデューサの首を取った話に進ませましたけどね。
子供の教育上、神話に出てくる神様にはもっと品行方正にしてもらいたいモンです・・・なぁんてね。

私もこのテの神話は小さい頃からよく本で読んでいたのですが、どんな意味かがわかったときは・・・・・・ナイショです。おおよそ親の目を盗んで11PMを見るようになってからかな。(^^)v


さてさて、この“神話”という曲はここで演奏しているツィメルマンが“仮面”“メトープ”と並んでシマノフスキの美しい3曲と言っていたうちの1曲であります。
3曲のうちでは、この曲のみヴァイオリンとピアノにより演奏される曲。
当然ながら神秘的な魅力をたたえた曲であります。なんてったって神話なんだから・・・。

この曲は、アルトゥーサの泉、ナルシス、ドリアデスとパンの3曲からなり、なんといっても第1曲アルトゥーサの泉は小品集などで採り上げられることも多いヴァイオリンの名曲として名高いものだと思います。
で、長岡で見つけたナルシス(水仙)の花です。
        

帰省時、桜は既に終わってしまっていましたが、いろんな種類のナルシスの花がそこらじゅうで美しく咲き誇っていました。

ダンチョフスカというヴァイオリニストはこのディスクでしか知りませんが、幻想的で冷ややかな音色を持った奏者ですね。この類稀な伸びやかさを雄弁なヴァイオリンというかどうかはわからないのですが、醸し出す雰囲気は抜群だと思います。

そしてツィメルマン、1975年のショパン・コンクールで優勝した5年後ですから、現在の鮮烈なタッチとはちょっと違います。
1990年ごろは凄くスタイリッシュなタッチだと思っていましたが、今や“かまいたち”が起きそうなぐらい切れてますもんねぇ。
そんな過渡期の演奏ですが、すでに雰囲気を湛えるには充分すぎるほどの表現力を身につけており、ダンチョフスカと相性バッチリではないかと思います。

併録されているというか、むしろメイン楽曲であるフランクのヴァイオリン・ソナタも、今のツィメルマンなら迸り出てくるであろうあらゆる意味に於ける“凄み”はなくとも、若々しい表情に溢れた佳演であることに間違いありません。
数あるこの曲の演奏の中でも、指折りの名演奏・・・そうでなければ、私にとっての3本の指に入るお気に入りの演奏であります。
あとの2本はいずれまたご紹介しましょう。(^^)/


★シマノフスキ/エネスコ/バルトーク:ヴァイオリン作品集
                  (演奏:イダ・ヘンデル(vn)、ヴラディーミル・アシュケナージ(p))

1.シマノフスキ:神話 作品30
2.エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 作品25 《ルーマニアの民族様式で》
3.バルトーク:ラプソディ 第1番
4.バルトーク(セーケイ編):ルーマニア民族舞曲
                  (1996年録音)

去年の11月19日にアップした記事に、このディスクは既に紹介してあるので詳しくは触れませんが、ダンチョフスカ/ツィメルマン盤と比べるとずっと地に足が付いた演奏になっています。

ヘンデル女史の独特な粘りのある音色(ダンチョフスカも粘りがあるけどちょっと違う)やトリル、アシュケナージの穏健なピアノ・・・すべてがこの世で起こっている出来事であると感じられるように弾かれているのが、上記アルバムとの相違点であると思います。

この辺のニュアンスは聴いてもらわなきゃわかりません、と言ってしまっては書く価値がないのかもしれませんが、まぁ毎度のことながら、お気に入りのディスクをご紹介させていただいたということで・・・。(^^)/


ところで全然関係ありませんが、さだまさしさんに“神話”という歌があります。
アコギ一本、4capoの3フィンガー奏法で歌の伴奏は通されるのですが、何といってもさださんといえばヴァイオリンのソリストを目指していたかた・・・。
“アルトゥーサの泉”なんてのは、実はオチャノコで弾けちゃったるするんではなかろうか?

この曲が収められているアルバムのタイトルが“印象派”であるということは、さださんはきっとシマノフスキを印象派の作曲家だと捉えていたに相違ない!!

というのは、私の穿った見方でしょうかねぇ? (^^)/


※出張のため先日付で投稿しています。

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