SJesterのバックステージ

音楽関連の話題中心の妄言集です。(^^)/
もしよろしければ、ごゆっくりどうぞ。

ルーツの開陳

2012年06月26日 00時25分33秒 | JAZZ・FUSION
★ソフィー・ミルマン
                  (演奏:ソフィー・ミルマン)
1.おいしい水
2.アイ・キャント・ギヴ・ユー・エニシング・バット・ラヴ
3.ギルティ
4.マイ・ベイビー・ジャスト・ケアズ・フォー・ミー
5.バック・ホーム・トゥ・ミー
6.ザ・マン・アイ・ラヴ
7.ロンリー・イン・ニューヨーク
8.アイ・フィール・プリティ
9.バラ色の人生
10.マイ・ハート・ビロングス・トゥ・ダディ
11.黒い瞳
12.ディス・タイム・オブ・ジ・イヤー
13.アイ・ガッタ・ハヴィ・マイ・ベイビー・バック
14.ストーミー・ウエザー
                  (2004年作品)

引っ越して・・・
CDを置くイーゼルがどっかへいっちゃったので新しいものに買い替えて・・・
アンプをZZ-ONEに替えて・・・
当ブログのテンプレートをジャズ風のものに替えて・・・
CDプレーヤーに・・・めちゃくちゃ無理して・・・ZZ-EIGHTを加えました。

まだまだいろんな音楽をとっかえひっかえ聴いているところで、ZZ-EIGHTがすばらしいプレーヤーであることは疑いのないところですが、ZZ-ONEとのつながりがいいとか、ESOTERICのX-50wの押し出しの強さのほうがいいとか言えるまでに至っていません。
いずれも深く濃く表現する傾向にあるとは思いますが、強いて挙げれば残響の多寡に多少の違いがある・・・
ZZ-EIGHTのほうが直截で、X-50wのほうが付帯音が若干多い、それぐらいの差しか感じられません。
この間違い探し的なことひとつとっても、新鮮な気持ちでの楽しい楽しい聴き比べはまだまだしばらく続けられそうです。


もとよりこれらは全部中古。
今のラインナップで言うと、SACDプレーヤーだけが新品で導入したもの・・・です。

一昔前の私にはまったく想像できなかった事態・・・
私のご先祖様がたは、痩せても枯れても新品で物を迎えて最後まで使い尽くすことをとことん信奉していました。
いまから思えばそれは信仰みたいなもので、理由なんて・・・・きっとない。。。

私もそれが当たり前との思いで生きてきましたが、ここへきて宗旨替えを果たしたといえるでしょう。
家族と一緒に住むにあたって泣く泣く手放さざるを得なかったギターの多くも、今使っているゴルフのクラブも中古だし・・・
一族の掟をこれみよがしに(ひとり)破ってしまっています。(^^;)

きっかけはインターネットの台頭によって、廃盤CDや手に入りがたいCDが広く中古市場で出回っているのを見つけたこと。
それがどんどんほかのものに広がって、とうとう機材までネットで見つけて吟味して・・・というところまで来たわけです。

なぜ古いものを買うのかといわれれば「ずっと憧れの商品だったから」という話につきます。
もちろんあれも好き、これも好き・・・実現したいシステムのルーツはそれこそ古今東西を問わず幾通りもありました。

でも、別格にフィーリングが合う商品、いつかは使ってみたい商品というものがある・・・。
そのようなコンポーネントとご縁があれば巡り会い、数あるうちのただひとつの「一期一会」さえ成就させれば、それ以降の流れはあるていど必然となります。

今回のZZ-ONE⇒ZZ-EIGHTの場合は嬉しくも邂逅のご縁が続いた・・・
あまりにもスパンが短かったので、別の意味でとっても大変でしたが、今こうして充足した気分で音楽に浸れるのは、多少首の回りが悪くなったとはいえ、理由なく道理を引っ込めて無理をしたからに相違ありません。

かつて心の中で自分の夢をかたどってくれたモノが、今ここで、記憶を超えて目の前で自分の好きな音楽を奏でてくれる・・・
いい音楽を聴くのに、新品でなくてはならぬ、という教えは、ご先祖筋にとってはともかく、こと私にあっては足かせ・呪縛であったといえましょう。

そして・・・
私の夢をかなえるルーツたる数あるコンポーネントの中から、ボウ・テクノロジーズの路線に踏み出したいう選択は、マーク・レヴィンソンやマッキン、クレルなどの超重量級路線を必然的に捨てるという選択でもあり、実は、かなりの量の夢の実現性をリストラしたということです。
多少のお金があったとしても、この狭い家ですからML-2Lが鎮座するというのは現実味に乏しいですから、この選択は必然であり、お墓まで持っていきたいと心底思える逸品であることを思えばもっとも自分向きの幸運の女神の前髪を掴むことができたんだと、自分を正当化し続ける毎日であります。

                 

さて・・・
ジャズのテンプレートに替えた(戻した)ことでもあるので、日ごろそうそうは聴いていないジャズ・ヴォーカルからお気に入りを挙げておきます。
とはいえ、みんな知ってる人でしょうけど。。。

ソフィー・ミルマンは彼女の2~3枚目のアルバムにポール・サイモンやブルース・スプリングスティーン、スティーヴィー・ワンダーの佳曲を入れています。
それをyou-tubeで見つけて「ほう・・・」と思って聴いて・・・あっさり惹かれちゃいました。
いくつかの彼女の歌唱を聴いてジャズシンガーとしては特徴的なレパートリーをソツなくこなす歌い手だとは感じましたが、あにはからんやポップスの名曲たちは客寄せというにはクォリティーが高いから・・・
本当はこの人は何をしたいのだろう・・・とわずかな戸惑いも感じていました。


それが・・・
さかのぼって手に取ったこのデビュー・アルバムで、実はこの歌手のバックグラウンドには実に広範なルーツがあって、ここではそれが複数のプロデューサーの手によってみごとなまでに開陳されているのを知りました。
バラエティ豊かな選曲に編曲、歌声もときにイーデン・アトウッドを思わせる小悪魔的な瞬間や、伊藤君子さんの力唱を思わせる歌い回しがあったりと変幻自在、それにいい意味での気負いかもしれない勢いがあってまことに活きがいい・・・これこそが彼女の最大の魅力だと感じました。

録音には少し暗騒音を感じたり声に生々しさをもうひとつ求めたい気もしますが、それは新鮮な機材で聴いているので私にはとるに足らないこと・・・であります。

このルーツの方向性を大幅に絞って、なおかつレパートリーに工夫を加えて次作以降が制作されている模様ですが、私には最大のウリに感じられる活きのいい声の表情がいささかセーヴされているように感じられるのが残念です。
大物とかゴージャスとかいう批評は外れていないけれど、若いんだからもっとはっちゃけていいんじゃないか・・・?
テニスのセカンドサーヴィスのように工夫して置きに行くのではなく、どんなタイプの曲でもファーストサーヴィスのような勢いを取り戻す・・・
そのほうが、今の彼女の良さがもっと生きるんじゃないか、なんて思っています。

まぁ、大人気の彼女のこと、これからもどんどん新譜をリリースするんでしょうから、畢竟の傑作に出会う日を楽しみにフォローしていくことといたしましょう。


ゆくゆくはソフィー嬢はジャズ・シンガー界にあって、ポップス界で先般物故したホイットニー・ヒューストン(私と同学年の年なのに驚いた)のような存在にさえなりうる逸材と信じています。
なぜか知らないけれど、気が付くとファースト・アルバムばかり手に取ってしまうところは似てほしくないですが。。。

そういえば、デビュー当初のホイットニーは実力はいかんなく発揮しながらも、多少猫をかぶっていたように私には思われます。
ここはソフィー嬢と逆ですね。

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