鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

漢字

2008-11-06 | エッセイ
漢字というのは難しい。
中国から漢字が導入されたとき、「木」という字は日本で言う「き」のことだから、「き」の読みを当てた。訓読みである。
また、中国式の「モク」という読みも当てた。それだけでなく、別の読みの「ボク」という読みも取り入れた。音読みである。
音読みに2種類あることは
男(だん、なん)、女(じょ、にょ)、若(じゃく、にゃく)、外(がい、げ)、日(にち、じつ)
などいくらでもある。
漢音と呉音であり、一般に女(にょ)のような柔らかい音が呉音である。
このように、漢字の読みには大きく3種類くらいある。

これだけで驚いてはいけない。
漢字の読みは、どう読んでもいいのである。
秋刀魚(さんま)、百日紅(さるすべり)、案山子(かかし)などいくらでもある。
東海林を「しょうじ」と読むと聞いて、どれが「しょう」で、どれが「じ」だ?
と聞いた人がいるそうだが、そうではなく、東海林全体でしょうじと読むのである。
義母と書いて「はは」と読ませることもある。
夫と書いて「つま」と読ませてもいいのである。
最近は、子供の名前に、宇宙と書いて「そら」と読ませるなど、漢字本来の読みでない名前が多い。
こんなめちゃくちゃな言語が、世界で他にあるだろうか。
英語でdogと書けば、ドッグとしか読まないだろう。
我々は、いやでもこの漢字と付き合っていかなければならないのである。

日本に、漢字でなくアルファベットが導入されていたら、我々の言語生活は大きく違っていただろう。
ベトナム語は、アルファベットを取り入れているが、それはすなわち母国語をローマ字で書くことに他ならない。
日本語もローマ字で表現したら、ワープロの漢字変換のわずらわしさもない代わりに、明治以降に作られた日本式漢語(哲学など)も、書道という文化も生まれなかっただろう。
コメント (8)
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