まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

山火事ブラザーズ

2014年04月23日 | 日記
長男の話だが…彼の名前はソウル。
地震の後 帰郷。

職業はよろず屋という事になっている。

よろずの事承る(ほんまに承〈うけたまわ〉れるんですかぁ)‥母としてはいまだに疑問が残る。
言い出したら、きりが無いほど心配でもある。

しかし、本人はなんのその…よろず屋金ちゃん…になってもう4年余り。
楽しげである。
金ちゃんと言うのはずばり…お金のことらしい。
ちぃーっともお金の匂いはしない

昆布漁、暗渠仕事、柿の木消毒、枯露柿つくり、窯焚き、草刈り、田植え、稲刈りなど等…。
今年は、メロン農家やら山の木の剪定などもと広がり…忙しそうで見ている分には飽きない。

よろずと言うてますけどその割には、あぁた…力技と気合のみで勝負しているではおまへんか。
そんな事言う人がいても、気にならない様子。陽性である。スーパー・ポジティブと言ってもよい。
出会い と人 に助けられている。

よろず屋一年目、納屋の整理での事…
ごみの山を燃やしてわき目もふらず、危うく火事になる所を間一髪で消し止め、胸をなでおろした経験がある。

火は恐ろしい。燃え広がる時は一瞬。頭の中はパニックになってしまう。野焼きが広がってしまって大変だった。
必死で火消しをした…経験者であります…わたくしも。

「ほんでも、俺の師匠二人も山火事起こしそうになった経験あるんや」
「えぇ 誰…誰 何、何、初耳、 初耳」と聞き返しながらもう…笑いそうになっている。

火事の話は初耳なのに、その二人とは誰なのか?顔が想像できるのが可笑しい。

二人の男の武勇伝は数々あるが、火事騒ぎと言うおまけもあったんか。
しらんかったぁ。
二人とも(この半島)の山奥の、萱やら雑草やら雑木やらの生い茂った‥土地を切り開いてきている。
そして、現在の住居と場所を創っている。
その経緯での出来事…らしい。

一人は燃え広がる枯草の炎の上を走りまわって、踏みつぶし…なぎたおし火の粉を消してほっと一息。

汗だくだろうし、必死であったろうと想像するのだが、彼の人間性を思うと…なんだか笑えてくるのが不思議。
大騒動にならずに冷や汗もの。
何日か後、友人達や地元の顔役と呑んでいる時。

「Y市の山でも火事が出て大変やったんや」
「ヘリコプターまで出て消火作業したんやぞ」
それがもう一人。Y村のさんの事だったらしく又大笑い。

一時間で行ききできる距離。
男たち二人は同時期に同じ様に開拓をし、峻拒しながら情熱を燃やしていたのだ。

二人とも豪傑である。両雄でもある。
しかも血気盛んの若い頃。「山を切り開いているうちに、燃やした方が早いわって…なったんやと思うわ」…解る。
息子の語り口調がしみじみと熱を帯びている。
共振している感じがする。

聞いている私も涙目になって笑いまくる。

山火事を笑っているのではない。山が燃えただけで済んで幸甚。
強運を備えているとしか思えない。

騒ぎを起こしている二人の顔(何十年も前 息子達と同い年位かも)を想像するともうすごく可笑しい。面白い。

「ま、これからは山火事ブラザーズって呼んでくれ」…「師匠たちのスケールには遠く及びません…けど」

運よくボヤ騒ぎで済んで助かった息子の‥そんな話を聞きながら病院へ。

ブラザーズには同類と言う意味もある。
遺伝子的には同類と言えるかもしれない。

「山火事ブラザーズ」
誠に「お金」の匂いはしない。

いいかもしれない。
















































コメント
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