歌右衛門展の続きです。
講演ではかつての歌右衛門の舞台を映像を見せていただいたのですが、とても荒くて、写っているだけという感じでした。
「映像ではその人のオーラや魅力までは映らない」とおっしゃる渡辺先生。
「それでも、今の若い人で、六世を知っている人はいない。せめてその片鱗たりとも残っているのは貴重だ」という司会をなさった演劇博物館の方。
六世歌右衛門が死去したのは今から10年前の2001年3月31日。
桜が満開だったそうです。
享年84歳。
1917年生まれで、若い頃には付き人と駆け落ちしたことがあるそうです。
三島由紀夫の「女形」という短編小説があります。
名高い女形が新鋭の演出家に惹かれていく様子を、彼を慕う座付作者が嫉妬の混じった複雑な感情で見ていく様を描いています。
面白いです。
興味のある方は図書館ででも探して目を通してみてください。
講演のなかで、六世歌右衛門の講演会で渡辺先生が、とても興味深いことを仰っていました。
「六世はその美しさをなくしてから、本物の格と芸が出てきた。最晩年の彼の芸がもっとも素晴らしい~~」
「あの美しさにこだわりぬいた竹原はん(舞踊家)でさえ、彼女の芸が頂点に達したのは、美しさをなくしてからだ」
演じる側も観る側も、表面的な「美」にこだわっている限り、本物の芸や格には到達しない、とも仰っていました。
だからまず観客を育てないと~~。
奥深くも耳の痛い言葉です。
美しさは最初からないにして、若さはなくしたからこそ見えてくるものはあるような気がします。
「なくす」とは悲しい言葉ですが、こう考えると「得る」ものもあるのかもしれません。
講演のあとは、隣にある大隈公園を散歩。
早くも藤の花が~~。
Rさんのコーディ。
縞の小紋にアンティークの昼夜帯。
藍染めの帯揚げ・イアリングを帯留。
半襟はご自分で刺繍した渦巻き。
最近はハートマーク顔隠しに凝って?ます。
褒めてもらったその日のヘア。
下の毛を夜会巻きにし、上の毛は二つに分けてうねりを持たせ(?)下の毛にかぶせました。前髪のうねりがポイントでしたが、写真ではよくわかりませんね。
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