最初にきものに惹かれたのはアンティークの色づかいでした。
次には花や草などの植物、燕などの季節を身に着ける楽しみを覚えました。
季節柄にはまると、季節ごとにどんどん新しい柄が欲しくなりいろんなところを漁る日々が続きました。
そして、いろんな絵画から色づかいを学ぼうとしてきました。
人生もラスト辺りにきて、これ以上増やせないなと思っていたとき、
「見立て」という日本独特のワザを思い出しました。
何度か試みてはいるのですが、もっと使おうかなと思ったわけです。
そう思わせたのは、田中優子さんの「きもの草子」(ちくま文庫)です。
この本、かなり前から持っていたのですが、江戸本をも見返しているうちに、また開いてみたわけです。
本のなかで、田中先生はお書きになっています。
「(着るものに)困ったからといってすぐには買わないをモットーにしている」と。
で、どうするかというと「見立て」という方法です。
たとえば六月の紫陽花コーディはこちら。
薄青緑の単衣の江戸小紋と紫、水色、乳白色の帯の色彩が重なり合ったとき、目の前に紫陽花が出現する、と。
なるほど。
前にも読んだ覚えはあるのですが、物欲に目のくらんでいたせいか、いまほどこの言葉に心を動かされませんでした。
で、私なりに実行してみたのが先の「咲初めの紫陽花コーディ」です。
そのほか「見立て」を考え始めると次々と浮かんできます。
緑の縞小紋に紫根染め絞りの帯&
先の赤紫の江戸小紋にクレマチスだけど薄紫の帯にブローチを添えて。
かなり前(六年前)の紫陽花の具象帯。
「見立て」は持っているものを利用するので経済的なだけではなく、楽しい。
頭使うのでボケ予防にもいいのではないでしょうか。
この紫陽花帯は人に譲ってしまいました。
いまならもっと違う風にコーディするかな。
やはり、譲らなければよかった??
いやいや、物欲を制す~~でしょう。
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