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『誰か』(宮部みゆき)

2008-10-12 10:44:29 | 読書日記
 自転車にはねられて男性が死んだ。その二人の娘から、犯人を捜すために父親の人生を綴った本を作成したいと相談された、財閥の娘婿が複雑に絡まった謎を解き明かします。

 二人きりの姉妹。二人きりだからこそ、親をめぐる「悪意」が膨らむ。
 人間は持って生まれた性格というものもあるのでしょうが、どのような環境で育ったかが人格形成に大きく関わるものです。
 したがって、親がどのような生活環境に置かれ、どのような心理状態にあるかが、子どもに影響してしまうのかもしれません。
 どんなに子どもに隠していても、親の心配事は子どもは自然と察知してしまうものです。

 特別なスーパーマンが登場するわけではなく、びっくりするような大事件が起きる展開でもないので、淡々と話が進みます。が、さすが宮部さん。各キャラクターがそれぞれの持ち味を十分だしていて、”安心”して最後まで読ませていただきました。ホンワカした読後感です。