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『日本の大問題が面白いほど解ける本』(高橋洋一)

2010-06-02 18:42:12 | 読書日記
●公共投資で景気はよくなるの?
 公共投資を行う場合、国債を発行して市中から資金を集めます。すると市中の金が減るので金利が高くなります。日本の金利が上がると円は高くなります。金利の高い国で運用しようと円買いが進むからです。円高になると輸出が減って輸入が増えます。これによって、公共投資の効果は海外に流れてしまいます。

●借金が800兆円もあって、日本は大丈夫なの?
 バランスシートをみると、800兆円の借金と同時に500兆円の資産があります。この差300兆円は赤字国債を発行して使ってしまったということ。しかし、これで債務を返済できないわけではない。国には課税権があるから。

●再分配政策がうなくいけば、経済成長しなくてもいいのでは?
 政府ができうのはGDPギャップの縮小しかない。GDPギャップとは総需要と総供給との差を表すもので、現在の日本では40兆円が不足している。

 著者はシンプル・ロジカルの問題を考えることの重要性を説いています。コスト・ベネフィット分析と世界標準で考えることが必要と。
 
 あくまで著者は学者(あるいは一官僚)としての立場から、ロジカルな分析による諸問題に対する考えを述べています。しかし、これはあくまで第3者的立場です。たとえ、ロジカル的には不要とされる政策であっても施行しないといけない事業がある。するかしないかを判断するのは政治の問題である。
 誰もが必要と考える事業であればするのが当然。反対する人がいるからこそ政治家が必要なのである。その際、反対者を説得するためには、コスト・ベネフィット分析などを駆使したロジカル分析が不可欠である。


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