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『新世界より』(貴志佑介)

2009-03-24 19:39:27 | 読書日記
 今から1000年後の世界といいながら、どこか昭和の風景を思い浮かばせる設定。
 そして、バケネズミやミノシロモドキなど、不思議な生物が登場する。
 これはファンタジーなのかと読み始めると、SF的なストーリーが展開する。

 特殊な能力を持つ人間が、それ以外の人間をバケネズミに変えることで、奴隷のごとく扱う。不自然な世界を作り上げ、無理に維持していくと、その閉鎖された世界の中に特殊変異した物体が登場すると、一気のその世界を維持することが難しいこととなる。そんな危うい基盤の上に作り上げられたユートピア。そこは、本当のユートピアなのか。

 正直、このような世界を描く著者の頭の中はどうなっているのか?どうしてこのような世界を想像しえたのか?不気味な世界に読者をぐいぐい引き込みながら、スピード感ある展開で決して飽きさせない。
 SFやホラーといったジャンルでは分類しきれないほど、たくさんの要素が詰まった作品です。
 


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