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群馬の田舎から情報発信!

『リンゴが教えてくれたこと』(木村秋則)

2009-07-02 19:55:04 | 読書日記
 「皆さんの両手にお米一粒できますか?お米はイネに実るのです。リンゴはリンゴの木に実るのです。人間には米一粒、リンゴ一個も実らないのです。私たちはイネが生育しやすい環境をお世話するだけです。」

 「若い人は農業が嫌いではありません。これまでの農業に魅力を感じなかっただけです。若者はありきたりのもの、答えがわかっていることは好きではありません。自分を超えた何かを得ようとしています。」

 「自然栽培で失敗しないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。~自然栽培に切り替える場合、~『穴を掘ってください。そして10㎝刻みに温度計で測ってください』といつも言います」

 「私の栽培は作物と環境をいかに同調させるかがカギです。」

 「自然を観察する目がないと農業はうまくいきません。」

  「自然栽培で減反は不要になります。反収7俵とれれば十分です。減反などで3割は余っているのですから」

 「日本の経済を樹木になぞらえると、中央に幹(首都)があってそこから枝(地方)が伸びているという構造と考えるでしょうが、私は違うと思います。本当は小枝についている葉っぱ(町や村)が、デンプンをつくり、幹を支えているのです。」

 苦労しながらも、農業を極めよう、未知のものに挑んで謎を解明しようとする、その意志の強さに圧倒されます。

 自分は農業者であると言っていますが、自分の目で見て、実際にいろいろ試してみて、その結果を次の策につなげるということは、科学者の手法に近いものです。しかし、相手が農業であるゆえ、結果がでるのにも時間がかかり、その分の苦労も相当なものであろうと想像されます。先頭を走るものの苦労は、本人の強力な情熱なしには遂げられないと思います。

 日本の農業の持つ様々な問題点や閉塞感、これを解決し打破する一つの方向性として“自然栽培”があるのかもしれません。


 


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