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能面

2010-04-18 | 音楽・芸術
2010.3能面の展示があった。記録として残しておくことにする。
解説文章は、観世流梅若会能楽師:山中迓晶(やまなか がしょう)氏


◆「大癋見/OH-BESHIMI」江戸時代中期
天狗などの役柄に使用する。彩色の損傷が酷いが、そこが却って力強い表情を醸し出している。彩色損傷部分から和紙が覗いて見える。これは「紙彩色」と呼ばれる特別な技法で、その技術は江戸時代に途絶え、現在では復元不可能。


◆「翁・白式尉/OKINA・HAKU-SIKIJYO」時代不詳
能「翁」の専用面。面を神そのものとして扱い、白式尉、黒式尉、父尉の三種の翁がある。能面は一刀彫で仕上げるのが基本だが、翁のみ2部式の切り顎になっている。文様や記号のように感じる、皺や眉など、翁の表情の成り立ちには謎が多い。


◆「般若/HAN-NYA」現代
耳まで裂けた口、金色に光る眼、額より生い上がる二本の角。迫力の表情から誤解されがちだが、般若は女面である。また、般若を使用する能は極端に少なく、能楽約250番中、3曲程に限られる。

能の草創時代、能面の種類はまだ少なかった。
能の公演や演目が増えるに従い、能面も多様性を求められ、種類やバリエーションを増やした。やがて様式に重きを置くように変化した能と共に、能面も基本となる表情を模写する「写シ」の時代を迎える。小面二態では「写シ」はただの模写ではなく、様式の中に作者の主張を込めた高度な技術であると知って頂きたい。

◆「小面/KO-OMOTE」現代
ふっくらとした頬、にこやかに上がる口角など、全体に柔和な表情が小面の特徴。スケートの浅田真央選手のような、笑顔が似合う10代の女性を演じる時に使用する。


◆「小面(古作)/KO-OMOTE」江戸時代後期
彩色の損傷が酷く、修復を重ねながら現在に至る。現代の作品との微妙な表情の違いが面白い。

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