シルクな暮らし

ほどほどナチュラル&シンプル生活
代替療法・暮らしの知恵・子供の事など

童話を今一度

2010-12-16 | 本(読み聞かせを含む)
数日前からアンデルセンの童話を読んでいる。

アンデルセンの描く情景は、こんなにも美しかったのか、
これ程までに悲しく、奥深いものだったのか、
と、あらためて思い知った。

童話はメタファーだ。

数年前、まだ小さかった子ども達に、グリムなどの童話を毎晩毎晩、読み聞かせていた時にも感じていたことだが、今回また鮮烈な衝撃を受けている。
童話は子供達だけのものではない。時として大人の心にも、しみこむ。

己の愚かさを知り、
知ってそこから立ち上がれ。
眠りから目覚めよ。
あなたが見ているその情景は、与えられた夢ではないのか?
何が真実なのかを、
大人こそが
知るべきではないのか?

『人魚の姫』アンデルセン童話集1
矢崎源九郎訳 新潮文庫

16編の作品を収録。

『人形つかい』
……それにしても、あのとき、学生の言った言葉は、今もなお、わたしの頭にこびりついています。というのは、その話の中には、学生自身でも、説明できないようなことが、たくさんありましたからね。たとえば、一片の鉄がコイルの中を通ると磁石になるといったことがらも、その一つです。ほんとに、これはどういうわけでしょうか? 霊気が、それに働きかけるのです。しかし、その霊気は、どこから来るのでしょう? わたしの考えでは、この世の中の人間についても、同じではないか、という気がしますね。神さまは、人間を時のコイルの中を通過させます。そうすると、霊気が働きかけて、ナポレオンのような人や、ルーテルのような人や、あるいはまた、それと似たような人が、できあがるのです。

『人魚の姫』の悲しみに共感して、泣いた。
自分はこれほどまでに憧れ、かぎりない苦しみをがまんしたことがあるだろうか。
自分の嘆き悲しみは、自分だけのものではない。
地球上の何万という女性が、同じように苦しんでいる。

すべての人が、それぞれに、孤独なのだ。









小学校で読み聞かせ

2008-12-17 | 本(読み聞かせを含む)
先日小学校5年生クラスの読み聞かせに行ってきました。
15分という短い枠の中で高学年の子達が楽しめる本を選ぶのは難しく、数回「はずしちゃったナァ」という日が続いていました。

このクラスでの問題は、読み聞かせの時間に遅れてくる子達が必ず数人いること。
お話を聞いている途中にガラガラとドアを開けて入ってくるので、その度に空気が変り集中が削がれてしまって、よほど面白い本でないと最後までもたないのです。

そんなわけで、構成を変えてみることにしました。
15分フルに本を読むのは不可能と割り切り、学年にこだわらないで本を選んで…といっても今回のセレクトは他力本願でしてね。(笑)

このブログによくコメントを下さっているROKOさんは、小学校でよく読み聞かせをされていて、本の好みが私とよく似ていらっしゃいます。絵本のカテゴリーには読み聞かせをしたときの子ども達の反応も書かれていて、参考にさせて頂いていました。で今回はROKOさんのブログで紹介されていた本の中から3冊をpick up。


子ども達が揃うまでの間、『世界のなぞかけ昔話(1)どうしてかわかる?』の中から選んだ幾つかで なぞなぞ遊びを。
みんなの気持ちがこちらに向いてきて、いい感じです。

全員揃ったのを見計らって、絵本『メアリースミス』へ。
この絵本、表紙からしてインパクトがあります。
読み始めた途端「何?何してるの?」とぐんぐんお話に引き込まれる面白さ。
5,6分で読めてしまう長さも手頃。
読み終わった後に、実はこのお話の主人公は実在した人物なんだよ~と話すと、
みんな「ええっ!」と驚いていました。
昔はこういう職業も必要だったんだね~などと話しながら、
一般的な職業ではなかったけれど、自分が興味を持ったことをとことん追求して、死ぬ間際までそれを続けた人がいるんだよ、と話を運びました。

雪の写真家 ベントレー
この絵本も読んであげたかったのですが、前述の理由で読み聞かせはあきらめ、自分で手にとって読んでもらえるように、本の紹介だけしました。
「写真とかTVじゃなくて、本物の、雪の結晶を見たことある?」
とたずねたら、数人の子が「見たことない」と答えていました。
東京では仕方ないことなのかな?
少しでも興味を持って、舞い降りてくる雪をじっくり眺めてくれるといいな。

日を置いて、ベントレーの残した雪の結晶の写真集も教室に置かせて頂こうと思っています。

ROKOさん、お陰様で久しぶりに子ども達のいい反応を見られました。
ありがとうございました! またよろしくです~。(笑)

【edu ブログで子育てエピソード】子ども達を成長させた本

2008-10-30 | 本(読み聞かせを含む)
ウェブeduで、また難しいお題が出ていました。

「この1冊の本がぼくを成長させてくれました」
なんて感動的な出会いが息子たちにあったのかしら?

我が家では、長男が赤ちゃんのころから小学6年になるまで、
ずーっと 読み聞かせの時間を持っていました。
3人で頭を寄せて読んだ1冊1冊の本に思い出があります。
子どもが大好きだった本、親の私の心を掴んで離さない本。
どれが特別“わが子を成長させた本”なのかは分かりませんが
読み聞かせが終わった後も、子ども達が繰り返し開いていた本は次の通り。

ミヒャエル・エンデ著
モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)
魔法の学校―エンデのメルヒェン集
ジム・ボタンの機関車大旅行 (ジム・ボタンの冒険 (1))

C.S. ルイス著『ライオンと魔女(ナルニア国ものがたり(1))

ルーシー M.ボストン著『グリーン・ノウの子どもたち (グリーン・ノウ物語 1)

完訳 グリム童話集〈1〉 (岩波文庫)
これは1巻から5巻まで大人用の本棚に並べていたのですが、
エジソン君も欽ちゃんも、何度も引っ張り出して黙々と読んでいました。

どの本も、ごく単純に面白くて繰り返し読んでいる様子でもありましたが、
物語の中で、読んでいる本人も成長しているのだなぁ…と
子供たちの様子を見ていて、ふと感じた事があります。
また、いろいろな出来事を見聞きする時、それがどういう事なのかを理解するのに
お話に出てくる逸話は役立ってくれているように思えます。

子ども達は、出合った本から何を受け取ったのかな? 
聞いてみても多分彼らは言葉にできないだろうから、
自分の場合はどうだろうかと振り返ってみました。

・愛情の表現のしかたや伝え方を教えてくれた
・誰かを理解する助けになった
・自分でも果てしない想像力の翼を広げられることを知った
・自分と似たものを見つけて、自分がどこにいるのかを確認できた

物語って、道しるべにもなるし、友達にもなってくれる。
科学の本は知識を与えてくれて生きる力になってくれる。

どんな本に出合えるか、助けになってくれるのかは一人ひとり違って
それは人との出会いにも少し似ているけれど
子ども達がこれからもたくさんの本を手にとって
生きる喜びや知恵を手に入れられればいいな、と思います。


ウェブedu 「みんなの子育てエピソード」:http://edu.webshogakukan.com/blogportal/



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子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法

2008-02-21 | 本(読み聞かせを含む)
サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法 (edu book)
著者はジェフユナイテッド市原・千葉 ジュニア担当コーチの
池上正さん。

子育てや人間教育の観点から、サッカーで子どもを伸ばす11の提案をしています。
『指導するコーチに向けて書いた子どもへの接し方や教え方などの部分も、実はわが子をサポートするお父さんやお母さんの子育てに共通するものです。……親・コーチと立場は変われど、大人が子どもを伸ばす方法や信じるべきものは変わりません。』
とプロローグにあります。
サッカーで一体、人生の何が学べるのか?と疑問を持たれたら、是非この本を読んで下さい。なるほど!と納得できる箇所が沢山見つかりますよ。
子どもが指示をされてただ動く【受動】だけではなく、子ども自らが考え動いていくために、大人がどう手助けをするかを考えさせられます。

オシム監督も
『サッカーは人生の縮図のようなものだ。人生のいろいろなことを学べる。』
と話されていたそうです。

この本に書かれているのは、大人-子ども、教師-生徒、男性-女性、その他様々な人間関係に適用・応用できる【11の魔法】。
行き詰まりを見せている自分をじっくり観察するためにも、参考になるかもしれません。
少年サッカーの本としてだけではなく、
サッカーに興味のない方にも読んでもらいたい本です。

何かを読んだ時、それを【どう読み解くか】文章の背後にある作者の想いを【どう汲み取って生かすか】で、読んだものは更に生き生きと、自分の中で輝きを増してくれるものだと思います。

根本に自分の想いを鎮座させて、自分にとって都合のいいところは受け入れ、都合の悪いところは読み飛ばすのはモッタイナイ。
頑なさを手放し、余裕を持って本質を受け入れるつもりで読むと、得られるものが沢山ありますよ。

大人でも「空気が読めない」人がいますよね。
自己主張もいいけれど、周りを感じて空気が読めれば、自分にとってもその場は居心地がよくなるし、何より【事】がスムーズに流れるようになり、結果的により多くのものが手に入ります。
サッカーでも、周りを感じる・周りの選手のイマジネーションを感じながらプレーの出来る選手・国は強いですよね。

…話が飛びましたね。
本に戻って、目次を書き出してみます。

1 肯定する―「だからダメなんだよ!」抽象的な言葉で叱ってばかりいませんか?
2 上達する―「悔しくないのか!」負け始めると怒っていませんか?
3 楽しませる―「サッカーを最優先しろ!」子どもに押しつけてはいませんか?
4 気づかせる―「ちゃんと話を聞きなさい!」いつも世話を焼いていませんか?
5 考えさせる―「右へパス!」「そこでシュートだ!」試合の間中、子どもを煽っていませんか?
6 進化する―「今までこうやってきたんだから」古い概念のまま立ち止まっていませんか?
7 夢を持たせる―「プロになりたいんだよな?」子どもより先に自分の望みを語っていませんか?
8 余裕を持たせる―「勝ちたいという気持ちが足らなかった」敗戦を精神論で片付けていませんか?
9 自立させる―「失くすと困るから」電車の切符を大人が持ってあげていませんか?
10 和をつくる―能力別にチーム分けするのがよいと思い込んでいませんか?
11 問いかける―「何やってんだ!」大量リードされたら怒鳴ってませんか?

本の帯には「こんな大人が子どもをつぶしています。ひとつでも当てはまるあなたはイエローカード!」 なんて書かれています。私はレッドカードで退場だな。(笑)


自由な発想が出来る子ども達が、伸びやかに健やかに育っていけるように、
大人も、自由な発想を手に入れたいものです。
結局大人に出来ることは、子ども達がそれぞれ持って生まれた才能を
如何に守っていくか、余計な手出しをせずに助けていくか、
という事にかかっていそうです。

もうすぐ発売!

2007-06-19 | 本(読み聞かせを含む)
木津龍馬さんの新刊が6月中に2冊、出ます。
オーラスキャン(竹書房6/29頃発売)
オーラオーラオーラ!(6/21発売)
だそうです。詳しくはヒムカのHP等でご確認下さいね。(私はまだネット不通で調べられないので…(>_<))
「オーラオーラオーラ!」の方は偶然現物を見せてもらえました。
単行本サイズでコンビニでも売ってそうな感じ。…そやけど中身は講演会でも話された実践的な運動が(…と表現していいのかな)ぎょうさん載ってました。
ツカえますね~この本も。(*^-^)b
木津さんのお父上様のお誕生日に発売なのだそうです!
おめでとうございま~す!


怒りの正体

2007-01-25 | 本(読み聞かせを含む)
「面白かったわよ。これを読んでいろいろ考えさせられてしまったわ」
と教えてもらった児童書

「バレエダンサー」
ルーマ・ゴッデン著 渡辺南都子訳 偕成社発行

主人公は母親に愛情をかけてもらえず、家族にも理解してもらえない男の子。素晴しい才能を持っているのに気付かれず、何度も深く傷つけられてしまう。けれど周囲の人々のあたたかさ、主人公の一途さと素直さに心揺さぶられます。
与えられた苦しみも無駄なものではないのだと、苦しみを与える側も苦しんでいるし、何かのきっかけさえあれば変わることもできるのだと、説教臭くなく読ませてもらえました。
いじめる側の子への教師の理解もあって良かった。
甘口な面もあるけれど、疲れきっているときにはこの甘さが嬉しいです。
一方親の愚かさてんこもりで、思わず自分の行いを振り返って反省してしまいました。
この本は、赤木かん子さんの『心の傷を読み解く800冊の本』というブックガイドでも紹介されているそうです。


おすすめをもう一冊。

誰も言わなかった育児論 怒りの正体と処方箋
LOVE AND ANGER THE PARENTAL DILEMMA(原題)
ナンシー サマリン著 田中千鶴子訳 青龍社

この本は実際にかなり役立ちました。
残念ながら絶版なので、古本を探すか図書館で借りて読んでみて下さい。

…何でこんないい本が絶版になるかなあ。