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映画・I Robot

ウィル・スミス主演の「I, Robot」を見てきた。

i Robot

原作者のアイザック・アシモフには、一時は日本語に翻訳されたものはすべて読んでいた。彼は、SF作家と言うだけではなく、自然科学の「啓蒙家」としての役割も大きかったのではないかと思う。わたしが彼の著作を読んだのは、1960-70年代だが、このころ、彼の描く未来像は、ある種、奇妙に身近に感じられた気がする。銀河帝国シリーズやファウンデーションシリーズはそういった多惑星間、多銀河間のポリティクスを現実社会に照合しながらギボンの「ローマ帝国盛衰史」にならって描いていて、これも、興味深いのだが、「われはロボット」については、書かれた当時は、ずいぶん未来のことと想定されたであろうが、現在では、現実味を帯びたものとなっている。
コンピュータ技術が進み、また、キーボードとモニタというステロタイプとなったコンピュータよりも、むしろ、人間の見えないところのコンピュータについては、ある意味ではとんでもない状況になっているといえよう。クルマはまさにコンピュータの固まりであるし、単独の車両にとどまらず、たくさんの車両とのコミュニケーションは、まさに現実的な技術である。また、エンジンまわりの技術は、コンピュータ・チップなしには、現代の自動車は何もなしえないであろう。現代は、キーボードとモニタというステロタイプではなく、むしろ、見えないところに様々な形状で存在するコンピュータ(というより、CPUというべきか)の存在なくしては、現代文明は立ち行かないことは確実である。
映画「I, Robot」の主題は、人間とロボットの関係を改めて再認識させることをここと見たようである。もちろん、エンターテインメント映画ではあるが、人間の行動について考えさせられる物語となっている。
ロボット三原則なるアイザック・アシモフのテーゼを守るべく製作されたロボット達と彼らなくしては生活できない人間達。さらに、それを突き詰めたあまり、暴走して自滅して行きかねない人間を制御しようとする管理ロボットがNS-5と名付けた新型ロボットをつかって人間社会を制圧しようとする。主人公のスプーナー刑事は、人間に危害を与えるロボットの存在と出会い、繰り返し警鐘を与えようとするが、ロボット三原則に反するロボットはあり得ないとする上司達にその意見はいつも却下される。彼の左腕は事故によってサイボーグ化されているのだが、その経緯となった事件は、交通事故で水没した二台のクルマ。一台はスプーナー。もう一台は14歳の少女。事故に出くわしたロボットは論理的な推論に従って生存確率45パーセントであったスプーナーを救助し、同11パーセントの少女を救助しなかった。人間なら、どう判断したか。ロボット三原則は完全ではないというのがスプーナーの考えである。
この事故の結果、彼は、左腕を失い、サイボーグになるのだが、彼は、これを契機に、ロボットの行動に注目し続けるのである。
映画のことだから、詳しく書いてしまうとおもしろくもないだろうが、ポイントは、人間の行動とロボットの行動の違いを聴衆も含めてどう見ているか、改めて、ロボットかが進む現代社会について、考え直す契機になれば、いいのではないと思う。
関連して、わたしは、ほとんどロボットと化している現代の日本の自動車について若干疑問を抱くものだが、これについては、後に稿を改めることとする。

1. ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。(A robot may not harm a human being, or, through inaction, allow a human being to come to harm.)
2. ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。(A robot must obey the orders given to it by the human beings, except where such orders would conflict with the First Law.)
3. ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。(A robot must protect its own existence, as long as such protection does not conflict the First or Second Law.)
(出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/ロボット工学三原則

皆さん、あなたの家にもロボットをおきませんか?その「製品案内」は以下のURLから見ることができる。この稿に添えてあるロボットの画像は、ここからダウンロードした。
http://www.ns-5.com/index.php

2004-09-23 22:58:35 | 映画/TV/DVD | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


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