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Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「富嶽三十六景」(日野原健司)

2019年03月13日 16時17分03秒 | 読書
   

 少し読書に慣れようと読みかけの「造形思考 上」(パウル・クレー、ちくま学芸文庫)を開いたけれど、頭に入らない。ようやく文体や思考回路に慣れ始めたばかりなので、読みかけで放置したくなかったが、本日は諦めた。
 そして明後日の「新北斎展」につられて購入した「北斎 富嶽三十六景」(日野原健司、岩波文庫)を取り出してみた。北斎の「富嶽三十六景」の46枚の作品ひとつひとつを図版2頁と解説2頁で構成されている。
 各作品を描いたとされる場所の地図、解説が添えられている。まずは地図と解説を読み、初めの「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」のふたつの図版と解説に目をとおした。ここで目が痛くなり、頭痛が始まったので中止。一眠り。
鼻の炎症で頭の奥が重い。目が疲れる。
 しかし2頁で一応読みきりというのは、こういん状態のときに読むにはうれしい。

 「凱風快晴」で興味ある指摘があった。
「赤富士とは、晩夏から初秋の早朝、太陽の光を受けて富士山が赤く輝く自然現象であると‥。「凱風快晴」の富士山は、朝日を浴びて赤く染まった姿であると説明されている。しかしながら、「凱風快晴」という題名に朝を連想させる意味が含まれていないこと、赤富士という自然現象は北斎の時代に誰もが知っているものではなかったと、赤富士現象は昭和に入ってから一般に広まったもので、‥「赤富士」と混同されるようになった‥。「凱風快晴」の富士山が赤いのは、あくまで夏富士の赤茶けた地肌を強烈に印象付けようとしたもので、白い雪を被った富士山という一般的なイメージに揺さぶりをかけようとしたのが、北斎の狙いだったのではなかろうか。」

 これには私は納得した。確かにそもそも「「凱風」とは、初夏の季節に南の方角から吹く穏やかな風のこと」で「南風。初夏のそよ風。」(大辞林)である。季節が合わないのである。
 背景の雲や空の色からも朝と時刻は特定できないと思われる。私のこれまでの疑問が解消されたように思った。


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