goo blog サービス終了のお知らせ 

Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

広重「冨士三十六景」から「東都佃沖」

2021年02月19日 22時33分20秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等

 「東都佃沖」とは無論現在の佃島隅田川の河口から佃島を見ている。当時は江戸にはここまで大きな船が入り、小さな船に積み替えて江戸市中に運ばれた。
 ここでも縦の帆柱6本と海と葦原、そして地平線の横軸が直交している。遠景の雁の群れと手前の7羽の鳥も上下で呼応している。
 一昨日の「さがみ川」と構図は似ているが、大きく描かれた人物が消え、船をこぐ人物がごく小さく4人ほど描かれている。この作品も富士山は遠景にぽつんと添えられるように巣が枯れている。北斎の富士山は鋭角な頂上を持ち、小さく描かれる場合もランドマークのように人々を厳しく見つめる。時には荒々しく厳しい自然の象徴のようである。
 一方、広重の富士は鈍角で実景に近く、そして人々の営みを見守るように添えられている。鎮守の守のように人の営みを含む風景に溶け込んでいる。
 この対比が不思議なのである。北斎の冨嶽三十六景は横長の画面である。広重の冨士三十六景は縦長である。横長のほうがどちらかというと緩やかで安定感があり、落ち着いた画面だと感じるのだが、北斎と広重ではその反対の印象である。北斎の画面のほうが人物にも自然の現象(雨・風・波‥)動きがある。
 これはもう少し見比べながら味わいたと思う。私は北斎の作品も広重の作品も好きである。どちらにも惹かれている。

 



最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
まあるくない月がいいねえ (通りがかり人)
2021-02-20 01:36:07
月の写真はどちらもいいが、右側のが一段といいね。広重の縦長のは、いいね。ほんとに縦の絵が多いんだね。
 広重に惹かれていく氏の心境もたいへん興味深い。

 月は電信柱が中央に画面を割るようにのびていて、そこいらがうまいのかなあ。まんまるでない月の魅力を改め感じます。おつかれさま。
返信する
通りがかり人様 (Fs)
2021-02-20 11:44:07
私がスマホで撮影した写真は、あくまでもご愛嬌です( ;∀;)
構図は狙ったものでもなく、偶然‥。恥ずかし、恥ずかし。
広重と並ぶとは光栄の至り(^^♪

本日は作業はひと段落、静かな土曜日です。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。