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Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

干し柿

2022年01月19日 17時14分32秒 | 俳句・短歌・詩等関連

★干柿の種健在にして老いぬ     丸井巴水
★干柿の舌に吸ひつく里の味     谷渡末枝
★市田柿硬さは口におもねらず    庄司 猛

 知人からあんぽ柿はヨーグルトと一緒に食べると美味しい、と教わった。あんぽ柿は柔らかく、袋を開けると冷蔵庫に入れていてもどんどん柔らかくなる。生の柿をスプーンで食べるのが好きな私は、柔らかくなったあんぼ柿も好きである。
 ヨーグルトに混ぜるにはかなり柔らかくならないとジャムのようには混ざらない。たまたま柔らかくなったものがあったので試しに食べてみたらとても新鮮に感じた。だが、いつも食べられるとは限らない。
 あんぽ柿柔らかさと舌になじむ甘さは、朝の活力を準備してくれるかもしれない。

 硬い市田柿も私は好きである。この市田柿はウィスキーやブランデーを口に含みながら、少しずつかじるのがいい。このときはナイフで小さく切ると便利である。この硬さはどこか偏屈で頑固者というところがある。ぎゅっと固まって意固地なのである。
 世の中におもねらずに生きて来た頑固さがいいのだ。この頑固さを噛みしめ、染み出てくる柔らかい甘さを味わう。そうして自分の生きてきた時代と自分の葛藤を思い出すのは、枯れ葉が音を立てて通り過ぎる冬の深夜である。
 市田柿の硬さは夜が似合う。人を内省的にする。 



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