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Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「横浜芝山漆器の世界」(横浜開港資料館)

2016年07月29日 20時22分07秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
   

      

 本日は日本大通りにある横浜開港資料館にて「明治のクールジャパン 横浜芝山漆器の世界-金子皓彦コレクションを中心に-」を見てきた。
 開港記念館のホームページには
「安政6(1859)年に横浜が開港すると、この港から漆器・陶器・木製品などの工芸品が欧米諸国へ輸出されていきました。海外では精巧で優美な日本の工芸品が大変な人気を呼び、欧米諸国の人びとは工芸品に触れることによって日本の文化に強い関心を寄せました。当初、工芸品は江戸時代以来の伝統的な生産地で作られましたが、やがて職人が横浜に移住し工芸品を生産するようになりました。
横浜芝山漆器はそうしたもののひとつで、横浜では貝・象牙・鼈甲・珊瑚などを漆器の表面にはめ込み花鳥人物を浮かび上がらせる伝統的な技法を用いて、海外輸出向けの漆器が大量に作られました。本展示では、日本の工芸品のコレクターとして著名な金子皓彦氏から貴重な資料をお借りし、横浜芝山漆器を中心に横浜から輸出された工芸品の数々を紹介します」
と記されている。
 宮川香山の陶器のように立体的な「浮き上げ」の技法の作品を目にすると、当時もてはやされた工芸品に求められた「美」の基準が分かるような気がする。残念ながら私は、このような派手で人の耳目を驚かすような作品は好みではないが、ヨーロッパ向けに好まれた意匠であることが理解できる。
 しかしわかっているようですでに人々の記憶からは消し去られてしまった明治の初期の日本をこのように復元したり、再評価する試みには敬意を表したいと思う。高々130年から150年前のことが忘れ去られているというのもさびしいものである。
 そしてたった71年前のことが否定的に忘却されようとしていることも忘れたくはない。

   

   




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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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海を渡った漆器 (たか)
2016-07-29 21:17:07
漆器も然る事ながら下絵がいいですね。
この絵を見ただけで宮崎氏の技量の深さが伺えました。
確かに海外向けは日本の奥ゆかしさからは
逸脱した作品が多くなってしまいますが
これも仕方ない事なのでしょう。

興味を引く展覧会です。
近ければ行ってみたい程です。
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たか様 (Fs)
2016-07-29 22:11:39
実は宮川香山も晩年は立体的な装飾ではなく、渋い作品を手掛けていました。それがなかなかいいと思いました。
今回の展示では時代を追っての変遷が分かりませんでしたが、きっと落ち着いた深みのある作品もきっとあったのだと思っています。
今回良かったのは、漆器のほかに輸出品として人気のあった箱根の寄木細工、今は見ることもなくなった麦藁細工なども展示されていました。また薩摩・伊万里の陶器、七宝なども賛辞されていました。横浜からも船出していたようです。
輸出量などの年ごとの推移などがあるとさらに興味深かったとおもいます。
いろいろ勉強になりました。
あと1週間でここの入場料200円も無料となります(^^♪
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伝統技術の継承 (はる)
2016-07-29 22:15:25
宮川香山の陶器も展覧会に行って、そんな焼き物が
横浜で作られたいたという事実を初めて知ってびっくりし
一世を風靡したそうした技術が継承されていないことを
とても惜しく思いました。

漆器にも同様な事があったのですね!
どちらも日本で好まれる物に比べ、より装飾的で華麗ですね。
日本人好みではありませんが、おっしゃる通り
その超絶技巧は記憶されるにあたいするものだと思います。

不思議なんですが、韓国にも芝山漆器のように、家具などに
動物の皮や鼈甲などで装飾する華麗な工芸品があるんですよ。
多分王宮や一部の高級両班宅でのみ利用されたものだと
思いますが、韓国人の感覚は西洋に近いのかなと思います。

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はる様 (Fs)
2016-07-29 22:34:37
なるほど、韓国の工芸は華麗ですね。
韓国ではやはり中国経由で西洋の文物の影響が入っていたのでしょうか。あるいは中国そのものの影響なのかな?
私には判断がつかないですが、西洋を受け入れる下地という視点、考えてみたい視点だとおもいます。

10月23日まで開催していますので、足をお運びください。

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