goo blog サービス終了のお知らせ 

Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

円山応挙展から「雨竹風竹図屏風」

2017年01月08日 18時03分01秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
[左隻]     [右隻] 

 「雨竹風竹図屏風」(圓光寺蔵)と「雪松図屏風」(三井記念美術館蔵)は前期展示だったので、後期にようやく根津美術館に出向くことのできた私は見ることが出来なかった。特に「雨竹風竹図屏風」はこれまで実際に見ていないので残念であった。
 まず「雨竹風竹」ということなのでどちらが雨でどちらが風を表現しているのだろうか。図録をじっと見ていてもよく分からなかった。
 風竹というのだから、風に靡いて幹が動いていると思われるのは右隻、そうすると雨竹というのだから、雨に打たれているのは左隻ということになる。しかし右隻の方が葉が下にうなだれており、雨の竹の様にふさわしい。すると左隻が風を受けている竹だろうか。
 図録の解説によれば、右隻の右端にある密集した竹に縦方向に淡い澄が描かれており、さらに右隻中央の竹は下向きの葉が長めに描かれ、雨が葉から滴るような描写になっていると記されている。左隻は右隻に比べ短めの葉が四方に広がっており、軽く乾いた風の存在が想定されると記してある。「左隻」は微かな風というのに驚いたが、なるほどと思わせる解説である。
 さらに解説では中国の牧谿、李唐、夏昶などの墨竹画の影響を指摘している。多分そウなのであろう。しかし私は一見して等伯の「松林図屏風」を思い浮かべた。等伯の松林図ほどの広い空間を描いたとはいいがたいが、松を竹に置き換え、奥行き感をぼかしや濃淡で表現し得ていると感じた。見方によっては等伯の作品よりも竹という素材ゆえに細部のこだわりが生かされているかもしれない。等伯の作品を目にした可能性はあるのだろうか。
 是非ともこの作品、実際に目にしたいものである。何かいい機会があるといいのだが‥。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。