本日から読み始めた本は、「辻惟雄 最後に、絵を語る。」(辻惟雄、集英社)。副題は「奇想の美術史家の特別講義」。昨年の8月に発刊されたばかりの本である。
「奇想の系譜」の著者である辻惟雄が「やまと絵」「狩野派」「応挙」「東山魁夷」を語るという「意外」な内容である。
第2講のはじめに、著者自身が「東京国立文化財研究所時代に、昼は狩野元信の研究をして、家に帰って「奇想の系譜」の原稿を書くというようなことをしていましたね。奇想のほうは裏稼業であったと(笑)」と語っている。
そして「はじめに」では「『奇想の系譜』は半世紀以上経った現在も読み継がれているという。信じがたいことだ。いささか心配なのは、伊藤若冲、曽我蕭白その他に人気が集まりすぎて、教師されていた狩野元信、探幽、円山応挙らの影が薄くなってしまったとだ。価値の逆転、古い言葉でいえば本末転倒だ。」
ということで、教科書的な記述とは違うものの、日本絵画史の本流を「奇想」の辻惟雄がどのように語るか楽しみである。「日本の美術の歴史」(辻惟雄)を再読したくなった。
東横線の横浜・武蔵小杉往復と横浜駅のいつもの喫茶店で読み始めた。第1講を読み終わり、第2講に入った。聞き取りを起こしたものであるが、いつもながら口調は穏やかで滑らか。とても分かりやすい。
久しぶりに電車の中での読書に挑戦してみた。明るい陽射しで目が疲れて寝てしまうかと思ったが、集中して読むことが出来た。
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