一昨日予約していた心療内科にいって「もう治ったと判断できますから、本日で診療はお終いとしましょう」といわれた。4ヶ月前から減薬をはじめ、この1ヶ月半は薬をまったく処方されなかった。2年半の通院・投薬で終了したことになる。
不眠を発端として係ったが、「鬱状態」という診断で睡眠薬を含め一時は3種ほどの薬を処方された。最後は1日おきの薬1種になっていた。一時間に5~6人ほどの患者であろうか診察室は適度に人が埋まっているが、混雑というほどではなく落ち着いた雰囲気で好ましい待合室であった。
病院というものの印象の中で、待合室というものはなかなか大きな比重を占める。あまり混雑していて落ち着かないとその病院の印象はかなり悪くなり、ひいては医師の評価も大きく作用してしまうものと思う。適度な明るさと、椅子がすべて埋まっていても適度な患者一人あたりのスペースが必要である。予約制の利点はこのスペースの確保にも及ぶと思う。ただし予約制が果たして「病院」のありようとして好ましいものか否かは別の判断が必要だが‥。
そして受付・会計事務を行う職員の快適さとは正反対かも知れないが、待合の椅子の向きが、受付・会計の場所を向くように並べられているほうがどうも患者側からすると落ち着くようである。この病院では2方向の壁に接して10脚の椅子が配置され、それぞれ受付の方向を向いている。受付・会計の事務の方は、オープンカウンターのため常に患者の視線に曝されるわけだが、患者は医師と受付・会計の職員との会話やカルテの受け渡しを常に見聞きし、診察の流れを見つめている。時間の経過を忘れて待っていることができる。
また医師に呼ばれて診察室に入ると、普通の病院では医師と患者が面と向かって、かなり近い距離で相対すことになる。心療内科以外は聴診器を当てたり、脈を計ったり、触診などのため医師と患者の距離は当然最初から近いほうが合理的・効率的なことは十分推察されるものの、でもあまり最初から近いとちょっと身構えてしまうことがある。理想論からいえば問診の時と身体に触れる診察の時とは少しでも場所を異動するか、医師が患者に近づいてくる方向の動線があったほうが、診療にゆとりが感じられるような気がする。
この心療内科では、医師の机の90時右横に患者の座る椅子が固定されている。そして約1.5メートルの距離で、医師と患者が90度方向をずらして対することになる。この医師から見て右という方向と距離が私にはとても好ましいものに思われた。医師が記入しているカルテの様子も、時には内容もわかるように可視化されているというのであろうか。医師の背中や左手で記載されていることがわからないようになっている病院もかなりあるが、最近はこのような病院も増えてきたようだ。
医師は私との対話の途中、私の方に時々顔を向け絶妙なタイミングでニヤッと笑う。このタイミングがさらに私の心をほぐしてくれたようだ。
そしてなによりここの診察室は広い。他の病院に較べたらあまりに贅沢といわれるくらい広い。そして心療内科特有の状況だろうが、医療器具が所狭しと乱雑に置かれているようなことはない。これは内科や外科、その他の診療科目の病院とは大きな違いがある。この広さは係っている患者の心を落ち着かせ、心をひらかせるのに大きな要素となっているのではないだろうか。
精神科医の中井久夫がその著書で、患者と医師との関係、患者と病院全体の関係、病院全体のレイアウトなどが患者と治療者に与える関係などについてかなり突っ込んで考察を進めている。そんな著書を思い出すような病院であった。
不眠を発端として係ったが、「鬱状態」という診断で睡眠薬を含め一時は3種ほどの薬を処方された。最後は1日おきの薬1種になっていた。一時間に5~6人ほどの患者であろうか診察室は適度に人が埋まっているが、混雑というほどではなく落ち着いた雰囲気で好ましい待合室であった。
病院というものの印象の中で、待合室というものはなかなか大きな比重を占める。あまり混雑していて落ち着かないとその病院の印象はかなり悪くなり、ひいては医師の評価も大きく作用してしまうものと思う。適度な明るさと、椅子がすべて埋まっていても適度な患者一人あたりのスペースが必要である。予約制の利点はこのスペースの確保にも及ぶと思う。ただし予約制が果たして「病院」のありようとして好ましいものか否かは別の判断が必要だが‥。
そして受付・会計事務を行う職員の快適さとは正反対かも知れないが、待合の椅子の向きが、受付・会計の場所を向くように並べられているほうがどうも患者側からすると落ち着くようである。この病院では2方向の壁に接して10脚の椅子が配置され、それぞれ受付の方向を向いている。受付・会計の事務の方は、オープンカウンターのため常に患者の視線に曝されるわけだが、患者は医師と受付・会計の職員との会話やカルテの受け渡しを常に見聞きし、診察の流れを見つめている。時間の経過を忘れて待っていることができる。
また医師に呼ばれて診察室に入ると、普通の病院では医師と患者が面と向かって、かなり近い距離で相対すことになる。心療内科以外は聴診器を当てたり、脈を計ったり、触診などのため医師と患者の距離は当然最初から近いほうが合理的・効率的なことは十分推察されるものの、でもあまり最初から近いとちょっと身構えてしまうことがある。理想論からいえば問診の時と身体に触れる診察の時とは少しでも場所を異動するか、医師が患者に近づいてくる方向の動線があったほうが、診療にゆとりが感じられるような気がする。
この心療内科では、医師の机の90時右横に患者の座る椅子が固定されている。そして約1.5メートルの距離で、医師と患者が90度方向をずらして対することになる。この医師から見て右という方向と距離が私にはとても好ましいものに思われた。医師が記入しているカルテの様子も、時には内容もわかるように可視化されているというのであろうか。医師の背中や左手で記載されていることがわからないようになっている病院もかなりあるが、最近はこのような病院も増えてきたようだ。
医師は私との対話の途中、私の方に時々顔を向け絶妙なタイミングでニヤッと笑う。このタイミングがさらに私の心をほぐしてくれたようだ。
そしてなによりここの診察室は広い。他の病院に較べたらあまりに贅沢といわれるくらい広い。そして心療内科特有の状況だろうが、医療器具が所狭しと乱雑に置かれているようなことはない。これは内科や外科、その他の診療科目の病院とは大きな違いがある。この広さは係っている患者の心を落ち着かせ、心をひらかせるのに大きな要素となっているのではないだろうか。
精神科医の中井久夫がその著書で、患者と医師との関係、患者と病院全体の関係、病院全体のレイアウトなどが患者と治療者に与える関係などについてかなり突っ込んで考察を進めている。そんな著書を思い出すような病院であった。