shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その④(忠別岳→ヒサゴ沼避難小屋)

2024-07-28 05:30:00 | 山行・旅行
この記事は表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その③(白雲岳避難小屋→忠別岳)の続きです。

7月中旬に3泊4日の日程で、表大雪の旭岳からトムラウシ山までを縦走した。
(地図をクリックすると大きくなります。)


忠別岳(標高1963m)の山頂には4、5人が休んでいた。私もここでザックを下ろした。
山頂から南西の方向に化雲岳(標高1955m)を中心とした山並みが見えたが、トムラウシ山は見えなかった。東の方向には東大雪の石狩岳(標高1967m)らしい山が見えた。北側は霧に被われていた。

五色岳に向かって歩き出すとすぐに草原となり、チングルマなどの花々が咲き乱れていた。


キク科の特徴がある植物を観た。茎や葉に毛が生えていて、葉は葉柄がなく茎から直接出ている。葉の鋸歯は鋭い。これまで観たことがなかったので教えてgooに訊ねた。
・ミヤマオグルマ(深山小車、Tephroseris kawakamii、キク科オカオグルマ属の多年草)
日本では北海道の利尻山、ポロヌプリ山、斜里岳、大雪山、夕張岳、暑寒別岳、ホロホロ山に分布する。高山帯の砂礫地や草地などに生育する。


坂を下っていくと雪渓の左に三角屋根の忠別岳避難小屋が見えてきた。


さらに下ると忠別岳の雄姿を見返すことができた。


その先には、先ほど観たキク科の花(ミヤマオグルマ)が群生していた。


さらにその先で、座りやすそうな岩があったので、先ほど休んだばかりだが休憩した。そこから観た忠別岳も見事だった。
休んでいたら昨日一緒だった二人組が追いついてこられて、その先の化雲岳分岐まで一緒に歩いた。


・ミヤマリンドウ(深山竜胆、Gentiana nipponica、リンドウ科リンドウ属の多年草)
北海道、本州の中部以北に分布し、高山帯の湿原や湿り気のある場所に自生する。


忠別岳を下り終えると五色岳に向けての登りとなった。ゆっくりのペースで登った。

・ゴゼンタチバナ(御前橘、Cornus canadensis、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)


・ツマトリソウ(褄取草、Trientalis europaea 、サクラソウ科ツマトリソウ属の多年草)
日本では北海道、本州、四国に分布し、亜高山の草地、半陰地、林縁に自生する。


・エゾイソツツジ(蝦夷磯躑躅・蝦夷石躑躅、Ledum palustre L. subsp. diversipilosum var. yesoense、ツツジ科イソツツジ属の常緑小低木)


12時47分に五色岳(標高1868m)に到着した。ここでも休憩した。計画より13分早いが、だいぶん時間差の余裕がなくなった。
五色岳山頂からトムラウシ山を見たところ、霧に被われていて見えなかった。しかし休憩している間に一瞬だけ霧が晴れてトムラウシ山を見ることができた。今回の山行で初めてトムラウシ山が見えた。


五色岳の山頂で道が二つに岐かれている。右へ進むとトムラウシ山へ、左は石狩岳だ。13時6分、トムラウシ山方面へ向かって出発した。


化雲岳分岐の手前で草原から湿原となり、いっきに草花の種類が増えてきた。

・ミヤマオグルマ


・ハクサンボウフウ(白山防風、Peucedanum multivittatum、セリ科カワラボウフウ属の多年草)

・エゾヒメクワガタ(蝦夷姫鍬形、Veronica stelleri var. longistyla、クワガタソウ属の多年草)
日本では北海道のみに分布し、亜高山帯から高山帯の砂礫地や草地に生える。高さは15cmほど。花期は7~8月。1cmほどで青紫色の花冠が深く4裂した花を咲かせる。




・トカチフウロ(十勝風露、 Geranium erianthum f. pallescens、フウロソウ科フウロソウ属の多年草)
この花は雌性先熟で、中央の花が雄性期、右の花が雌性期のように見えた。


・ミヤマキンポウゲ(深山金鳳花、Ranunculus acris var. nipponicus、キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草)


・エゾコザクラ(蝦夷小桜、Primula cuneifolia、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)






・キバナシャクナゲ(黄花石楠花、Rhododendron aureum、ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木)とエゾコザクラ


・ミヤマキンバイ(深山金梅、Potentilla matsumurae、バラ科キジムシロ属の多年草)








・ホソバウルップソウ(細葉得撫草、Lagotis yesoensis、オオバコ科ウルップソウ属の多年草)




・ミヤマアズマギク(深山東菊、 Erigeron thunbergii subsp. glabratus、キク科ムカシヨモギ属の多年草)


・ミヤマリンドウ


14時5分に化雲岳分岐に着いた。ここでヒサゴ沼へ直接向かう二人組と分かれて、化雲岳へ向かった。


化雲岳の東斜面にはチングルマの大群落が観られた。


もうすぐ山頂だが・・


左を向くとチングルマの大群落がまだ続いている。


ゆっくり登って14時27分に化雲岳(標高1955m)の山頂に着いた。化雲岳の山頂には数分いただけで宿泊地のヒサゴ沼へ向かった。
五色岳から直接来る道と合流すると、ヒサゴ沼へはしばらくの間木道を歩く。




快適な道のはずだが、途中で足の親指の付け根が痛くなり、靴を脱いで休んだ。


雪渓の先にヒサゴ沼が見えてきた。


この沼の東側に避難小屋とキャンプ指定地がある。


池を目の前にして、この日初めてパノラマ写真も撮ってみた。


足の痛みをこらえながら、15時37分に野営場に到着した。計画より53分早かった。
野営場に着くと、2日間一緒に歩くことが多かった二人組から声がかかった。「大変ですよ。テントを張る場所がないですよ!」

この日のヒサゴ沼避難小屋のキャンプ指定地は混雑していた。岩の上や笹原を除くと、ほとんどの場所がテントで埋まっていた。わずかに避難小屋の脇にスペースがあることを教えられ、運良くそこにテントを張れた。
私より後から到着したキャンパーは、ゴツゴツした岩の上や笹原の中にテントを張っていた。山は「早出早着」と言うけれど、なるほどこういうこともあるのだと思った。

2日目に歩いた距離は16.7km、累積標高差は登りが663m・下りが966mで、歩行時間は途中休憩(1時間18分)を含めて9時間41分だった。
表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その⑤(ヒサゴ沼避難小屋→トムラウシ山南沼キャンプ指定地)に続く。
コメント (15)
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