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伊東良徳の超乱読読書日記

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ぼくは明日、昨日のきみとデートする

2025-03-29 20:20:28 | 小説
 叡山電車沿線の美大に通う20歳の学生南山高寿が、出会うべき運命にあった20歳の美容専門学校生福寿愛美に、2010年4月13日に通学中の車内で遭遇して声をかけてから40日間の交際を描いたSF恋愛小説。
 基本的に南山サイドの視点で描写されていて、前半は南山の幸福な浮かれた恋愛を描き、後半は福寿の心情を思い切なくなるという、奇抜な(荒唐無稽な)設定でありながら恋愛小説の王道ともいうべき読み味です。男性読者を想定した男性側からの王道ではありましょうけれど。
 映画を見たとき、って8年前ですが、抱いたシンデレラの福寿が南山に発見された手帳をいつどうやって回収したのかという疑問(映画の感想記事はこちら)は、原作では回収していない/回収する必要がないと説明されていました(265ページ)。ようやく疑問解決(もっと早く読めって)。
 福寿が手帳を置き忘れて/あえて置いて帰るのが初めてHした夜というのがなかなかに意味深な設定になります。福寿は(福寿の立場から)もっと早くそうしたくならなかったのか(もっとHしたくなかったのか)と南山の立場からは後で哀しくならないか、そこよりもより早く理解して欲しかったのか…福寿側からの内心の描写がないだけにいろいろに想像させます。


七月隆文 宝島社文庫 2014年8月20日発行(文庫書き下ろし)

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