司法修習生と修習生を受け入れ指導する側の裁判実務関係者たちの日常業務と日常生活を描いた群像劇。
修習生を受け入れた弁護士事務所の勤務弁護士が不倫の問題をめぐり、家裁少年部(刑事)の書記官が反省の色が見られない少年の審判や調査官面接をめぐり、検察庁の指導教官が双方泥酔した傷害事件や嬰児殺を繰り返した被告人の処遇をめぐり、配属された司法修習生と考え学んでいく話に、最後に後期修習のプレッシャーの中での模擬裁判の達成感と同期内での競争心・足を引っ張る陰謀を描く話を付けた短編連作になっています。
司法修習生を主役とした作品は、私はこれまで見ませんでしたが、裁判所・検察庁・弁護士事務所それぞれの内情に触れられる、初心というか志のあるある意味で青臭い熱い議論もしやすいという点で、裁判業界ものとしては、書きやすい設定といえそうです。そして、裁判業界の人の多くは、修習生時代にノスタルジーを感じていますので、小説として一定の読者層を獲得しやすい分野ともいえるかも。私は、和光ではなく、研修所は湯島、寮は松戸の世代ですが、それでも久しぶりに修習時代の郷愁に浸りました。

織守きょうや 新潮社 2020年11月25日発行
「小説新潮」連載
修習生を受け入れた弁護士事務所の勤務弁護士が不倫の問題をめぐり、家裁少年部(刑事)の書記官が反省の色が見られない少年の審判や調査官面接をめぐり、検察庁の指導教官が双方泥酔した傷害事件や嬰児殺を繰り返した被告人の処遇をめぐり、配属された司法修習生と考え学んでいく話に、最後に後期修習のプレッシャーの中での模擬裁判の達成感と同期内での競争心・足を引っ張る陰謀を描く話を付けた短編連作になっています。
司法修習生を主役とした作品は、私はこれまで見ませんでしたが、裁判所・検察庁・弁護士事務所それぞれの内情に触れられる、初心というか志のあるある意味で青臭い熱い議論もしやすいという点で、裁判業界ものとしては、書きやすい設定といえそうです。そして、裁判業界の人の多くは、修習生時代にノスタルジーを感じていますので、小説として一定の読者層を獲得しやすい分野ともいえるかも。私は、和光ではなく、研修所は湯島、寮は松戸の世代ですが、それでも久しぶりに修習時代の郷愁に浸りました。

織守きょうや 新潮社 2020年11月25日発行
「小説新潮」連載