5歳の時に両親と兄、祖母を目の前で虐殺され、復讐を誓い訓練を受け冷徹な暗殺者となった20歳のアリサ(コードネーム:バレンタイン)が、他の組織の暗殺者たちと死闘を繰り広げつつ復讐をめざすアクション小説。タイトルからは恋愛小説かと思ったんですが・・・
プロの暗殺者の繰り広げる死闘の緊迫感とスピーディな展開で、エンタメとしては飽きずに読ませます。ためらいもなく人を殺し続けるバイオレンスものは、私の趣味ではなく、その点の抵抗感でところどころ行き詰まりましたし、組織や施設の設定が現実離れしすぎているのが私には気になりましたが、そのあたりが気にならない人ならかなり楽しめるでしょう。ラストがちょっと期待はずれというか安直な感じがしますけどね。
アリサを拾って育てた小野寺の言葉「お前の父さんは、優秀なアサシンだった。が、彼はひとつだけ重大なミスを犯した。それは、愛すべき者ができたことだ。」(7頁)が、ストーリーの展開に応じて含むところが変わったり、それなりに布石が効いている感じがします。ただ、それにしては、アリサのパートナーとなる暗殺者ヘリオスが敵の4天王の1人スパイダーと遭遇したときの言葉「しかし、驚いたな、バレンタイン。スパイダーがあんなに若い少年だったとはな。」(131~132頁)はちょっと。スパイダーは球場で見つけているし、ゼウス以外の4天王は写真で見たことがある(いずれも42頁)のじゃなかったの?

新堂冬樹 角川書店 2007年12月31日発行
プロの暗殺者の繰り広げる死闘の緊迫感とスピーディな展開で、エンタメとしては飽きずに読ませます。ためらいもなく人を殺し続けるバイオレンスものは、私の趣味ではなく、その点の抵抗感でところどころ行き詰まりましたし、組織や施設の設定が現実離れしすぎているのが私には気になりましたが、そのあたりが気にならない人ならかなり楽しめるでしょう。ラストがちょっと期待はずれというか安直な感じがしますけどね。
アリサを拾って育てた小野寺の言葉「お前の父さんは、優秀なアサシンだった。が、彼はひとつだけ重大なミスを犯した。それは、愛すべき者ができたことだ。」(7頁)が、ストーリーの展開に応じて含むところが変わったり、それなりに布石が効いている感じがします。ただ、それにしては、アリサのパートナーとなる暗殺者ヘリオスが敵の4天王の1人スパイダーと遭遇したときの言葉「しかし、驚いたな、バレンタイン。スパイダーがあんなに若い少年だったとはな。」(131~132頁)はちょっと。スパイダーは球場で見つけているし、ゼウス以外の4天王は写真で見たことがある(いずれも42頁)のじゃなかったの?

新堂冬樹 角川書店 2007年12月31日発行