謎の毒草師御名形史紋(みなかたしもん)が薬と歴史の知識と推理で、東京の下町の旧家の豪邸を舞台に度々起こった1つ目のオニを見たという証言と離れの密室での失踪事件を解決するミステリー。
語り手役は別の雑誌編集者で、そのライトノベルっぽい語り口と、御名形のキャラ設定のキワモノっぽさがどうもアニメイメージで、終盤で御名形が関係者を集めて謎を解いていく設定もあわせ、「名探偵コナン」を思い起こしました。布石の打ち方、最後の展開はよくできていて、推理系のエンタメとしてはかなりいい線行っているかと思います。私としては、3件も離れでの閉じこもり・密室失踪事件が続いているのに離れの戸が外から開けられない構造のままにしておく訳ないだろというのと、柊也のダイイング・メッセージ(104頁)が書きかけの文字でも手で書いた以上どっちからどっちに書いたかわかるだろという点は、突っ込みを入れたくなりますが。
伊勢物語の解釈と業平の歌の解釈に独自の主張があり、「世の中に絶えてサクラのなかりせば」のサクラは藤原の良房の娘(文徳天皇妃)をさす(199~206頁)とか、妥当かどうかはおいても博識ぶりに感心しました。

高田祟史 幻冬舎 2007年4月25日発行
語り手役は別の雑誌編集者で、そのライトノベルっぽい語り口と、御名形のキャラ設定のキワモノっぽさがどうもアニメイメージで、終盤で御名形が関係者を集めて謎を解いていく設定もあわせ、「名探偵コナン」を思い起こしました。布石の打ち方、最後の展開はよくできていて、推理系のエンタメとしてはかなりいい線行っているかと思います。私としては、3件も離れでの閉じこもり・密室失踪事件が続いているのに離れの戸が外から開けられない構造のままにしておく訳ないだろというのと、柊也のダイイング・メッセージ(104頁)が書きかけの文字でも手で書いた以上どっちからどっちに書いたかわかるだろという点は、突っ込みを入れたくなりますが。
伊勢物語の解釈と業平の歌の解釈に独自の主張があり、「世の中に絶えてサクラのなかりせば」のサクラは藤原の良房の娘(文徳天皇妃)をさす(199~206頁)とか、妥当かどうかはおいても博識ぶりに感心しました。

高田祟史 幻冬舎 2007年4月25日発行