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伊東良徳の超乱読読書日記

はてなブログに引っ越しました→https://shomin-law.hatenablog.com/

「朝がつらい」がなくなる本

2007-06-24 08:36:09 | 実用書・ビジネス書
 寝起きが悪い人のための、寝付きをよくしてぐっすり眠り朝スッキリ起きるための方法を解説した本。
 私は、仕事をするようになって朝は自然に起きられるようになりました(やっぱり責任感ですね)から自分はもう必要ないんですが、子どもが朝苦手なもんで手にしました。1時間くらいで読めるお手軽本です。
 基本的には深い眠り(ノンレム睡眠、除波睡眠)は90分サイクルの2~3回だけという話と、それでも必要な睡眠時間は個人差が大きいという話は、よく聞きますが、大切。ノンレム睡眠では体は起きているけど脳は眠っているのに対しレム睡眠では脳は活動しているけど筋肉の緊張はほとんどなくなり脱力した状態(116頁)で、レム睡眠からいきなり覚醒すると筋肉が急には動けず金縛りになる(132頁)というのは初めて知りました。それにしても馬や牛の睡眠時間は2~3時間、イルカの睡眠時間は0時間(110~112頁)って本当?


梶村尚史 知的生きかた文庫(三笠書房) 2007年6月10日発行
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核爆発災害

2007-06-24 07:40:35 | 自然科学・工学系
 広島、ビキニ、セミパラチンスクでの核爆弾使用・核実験の事例を元に被害の範囲を特定し、現在東京に核攻撃があった場合をシミュレーションして被害を減少させる対策を論じた本。
 著者は、科学的な検討ということを何度も言っていますが、元にしている広島やチェルノブイリでの被害者調査の限界(対象の漏れ・偏りや病状・疾病の原因把握の限界)や放射線の確定的影響(急性症状)のしきい値(それ以下の線量では症状が生じないとされる被曝線量)が元々一定確率の例外を想定していること(従ってしきい値未満の線量でも症状が出る場合があること)への言及が全くありません。それで広島の原爆投下では爆心地(グランドゼロ)から3km以遠では放射線量は無視できるほど小さい(152頁)とか放射線災害は概して半径2km以内(112頁)とか、1シーベルト未満では急性症状は出ない(164~167頁等)とか、症状からの線量推定を断定的に述べたり(12~13頁、26~27頁、70~71頁等)、第5福竜丸船員の健康被害は放射線の影響ではない(77頁等)とか言っています。原爆症認定で被害者を切り捨てる厚労省や事故の度に放射線による影響はないと言いたがる原発推進派と同じ姿勢に読めます。原爆症の裁判では、そういう爆心地からの距離と被曝線量の関係、しきい値を絶対視する考え方の誤りが明らかにされてきているのですが。
 この本で新たに認識したのは、広島・長崎のケースのような空中爆発の場合は、核爆発による核分裂生成物は大部分高温・高熱のため遥か上空に吹き上げられて拡散し地上に降下する割合が少ないのに対して、地表での核爆発の場合は核分裂生成物(「死の灰」。著者はこの言葉を嫌って「核の灰」と記載していますが)が地表の粉塵(爆発による破砕物)と混合して大量に地表に降下するため放射能汚染・被曝量がかなり多くなり風下にはかなり遠方まで致死量の被曝があることです。このこともこの本の全体の書き方からすると、広島での被害が相対的に小さかった、爆心地から離れたところでの被爆者の健康被害は放射線によるものではないと言いたいがためのようにも読めてしまいますが。


高田純 中公新書 2007年4月25日発行
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