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伊東良徳の超乱読読書日記

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ジダン

2007-05-21 07:11:47 | ノンフィクション
 ジダンのワールドカップと引退に至る経緯を2006年ワールドカップ決勝の進行の中に過去や関係者のインタビューを織り交ぜながら書いた本。
 絶妙なトラッピングとボールが脚に吸い付いているようなドリブル、人間業とは思えぬフェイント、測ったようなパス、そして時としてどうしてそこにいるのかわからない絶妙のポジショニングで現れて決めるボレーシュート・・・。華麗なプレイで数々の伝説を残した、記憶に残るプレイヤージダン。アルジェリア移民の子でフランスの低所得者用団地で育ち、トッププレイヤーになった後も派手な社交生活をせずに比較的堅実・謙虚に過ごす姿勢が多くの人の共感を得てきたこともその伝説を強めてきました。
 2006年ワールドカップ決勝をストーリーの軸とした以上、当然に最後に待ち受けている頭突き事件については、特段の新しい解明はなくあいまいなままで、頭突き事件がジダンのイメージダウンにつながらず新たな伝説になったことを指摘して終わっています。そのあたり、読者としては不満は残りますが、サッカーファンがジダンと2006年ワールドカップを思い起こしてノスタルジーに浸るにはほどほどの本です。


原題:Ten Minutes to Glory
ルーカ・カイオーリ 訳:片野道郎
ゴマブックス 2007年1月10日発行 (原書は2006年)
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