野性派でいこう!

日々の徒然です。子供四人。自然派。遺跡発掘事務所でお仕事。遺跡発掘調査で働き、やっぱり描いたり書いたりする日々。

空と、地面。

2015-10-22 21:57:33 | お仕事話
わたしのお仕事場は只今お山の上。

そのお山の発掘現場の隣に大きな鉄塔が建っている。
ピカピカの鉄塔。

我々の現場の隣にあった、鉄塔を立てる作業員さんたちのプレハブが今日は撤収の日。

朝、いつも通りの作業をしていると、
鉄塔を立てたおじさんたちがフェンス越しにへばりついて、こちらを見ている。
プレハブ撤収の合間の待ち時間みたいだ。

いままでもなんとなく、挨拶したり、言葉を交わしたりしていた。

でも、こんなにへばりついて見られている事はなかったので、測量の機械を立てる時には緊張した。


「鉄塔がクビになったら、そっちで雇ってもらおうかな。いつでもスコップ持ってるし」

「あはは。そうですねぇ。」

なんて、他愛もない会話をした。

おじさんたちは、ここに一年いて、鉄塔を立てて、
次は群馬に一年。六機の鉄塔の電線を張り替えるそう。

日本人は本当にすごいんだな。と、思う。

こんな、明るく冗談を飛ばすおじさんたちが、勇敢にものすごく高い鉄塔に登って、正確な技術で仕事をする。

家族とは、年に何回会えるのだろう。


実はわたしたちは前の現場から鉄塔作業をみていた。
休憩はどうするんだろう?トイレは?
なんて、小さな疑問を抱きつつ。最後にはついに、あの鉄塔に登っていた方々にお会いすることができた。
しかし、でも、おじさんたちとは今日でお別れ。


また、どこかで会うこともあるかもしんねぇから。

と、さよならした。

空へ空へ新しいモノを築く人たち。
ひたすら地面を見て穴を掘り、過去を辿る我々。

だけど、作業服にヘルメット。格好だけじゃなくて、親近感を抱いてしまった。
プレハブを建て仕事して、さよならする日はちょいとさみしい。

そんな事を繰り返す。

でも、また、会えるかもね。そんな、事をちょっと真剣に信じられるわたしたち。