城と歴史歩きを楽しむ

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三河・岡崎城 普段は立ち入れない石垣の特別見学会

2018-12-25 | 歴史
岡崎城は愛知県岡崎市にあります。徳川家康生誕の城として知られています。
 毎年この時期になると12月26日の徳川家康誕生日前後に「家康公生誕祭」のイベントがさまざまに行われます。今回は12月22日に行われた岡崎城の石垣巡りに参加しました。
普段は立ち入りができない場所の石垣も含めて、岡崎城のガイドさんの案内で見学しました。あいにくの雨でしたが事前申し込みで多数の参加者がありました。


街には家康公生誕祭のバナーがイッパイ


岡崎城天守と龍城神社
本丸には復興天守と龍城神社があります。現在に残る岡崎城は徳川家康の関東移封後に豊臣方の田中吉政によって築かれたものが多くあり、本丸の天守・天守台も田中吉政によって築かれたと伝わります。龍城神社は後世の造営で、田中吉政の頃にはありませんでした。


天守台東面 最大の鏡石 普段は立ち入れない
天守台の東面の石垣には城内最大の鏡石がありました。今は東側に龍城神社が造営されたので狭い空間となり、普段は立ち入りができませんので、初めて目にすることが出来ました。
 ガイドさんと比べてその大きさがわかるでしょうか? 奥にわずかに見えている白壁は井戸櫓です。


天守台北面の鏡石 普段は廊下橋越しにしか見ることが出来ない
この場所も普段は立ち入ることが出来ませんが、今日は特別に見ることが出来ました。今までは遠くからしか見ることが出来ず、一番大きな鏡石だと思っていました。この鏡石の付近から金箔瓦が初めて出土して今年話題となりました。


天守台南面 今はこちらが正面だが鏡石は無い
天守台南面には鏡石がなく、最大のものは東面にありました。ガイドさんの説明で、田中吉政が築城した岡崎城は東向きが正面だった可能性があるとのことでした。
 豊臣方とすれば、関東へ移った徳川家康を睨んだ東を正面にした可能性は十分に考えられると思いました。


本丸南面石垣 風呂谷曲輪から見る
岡崎城の石垣はかなりの部分で積み直しが行われており、今見ることのできる石垣は田中吉政の頃のものから明治に至るものまでが有るようです。
 写真の石垣も野面積みの古い部分、整形された石の布積みまでさまざまです。


転用石 城内で確認された唯一のもの
岡崎城の石垣に転用石が使われた例は無いと思っていましたが、ガイドさんの説明で、初めて見ることが出来ました。普段通行している場所でしたが、今まで気づきませんでした。
 今では石都岡崎として石製品が有力な産業となっていますが、田中吉政が石垣の城を築く時に連れてきた石工によって、地元の豊富な花崗岩が利用されるようになったようです。花崗岩が豊富に産出する岡崎では、転用石を使う必要がなかったのかもしれません。

今回は普段何気なく見ていた石垣を見直し、見たことのない場所の石垣を見て岡崎城を今までよりも知る機会となりました。