いきいきライフこれからだ

コツコツとブログに投稿し、皆さんと一緒に楽しみましょう。

末永雅雄先生復元の古墳時代甲冑(関西大学)

2017-01-22 10:35:09 | 日記

1月21日(土)関西大学巡りに参加しましたが、博物館で一番に目についたのが甲冑でした。
関西大学博物館学芸員 山口哲也先生から説明を頂きました。

  

展示されていた説明書きを転載します。

末永雅雄先生の復元研究資料
     末永雅雄先生は大正末年から古代甲冑の研究を進められた。特に古墳時代から江戸時代の冑や甲(よろい)を中心に
   当時の技術的使用法や文化的価値を研究するために、甲冑の復原を始められた。また、先生はこの研究で1936年に帝国
   学士院賞を受賞された。
     古墳時代の甲冑は埋葬施設など、土中に埋まっているため銹着し本来の形態が視認しにくい。先生は当時の用途・技術
      を研究するために、本来の甲冑の形態を知らなければならないと考えられ、古墳時代の甲冑を中心に、実際に鉄を加工して
   当時の技術形態を復原し甲冑を製作されました。

末永雅雄コレクション 末永雅雄復元 (鉄三角版革綴り衝角付冑・短甲・装具復元)
     奈良県円照寺墓山1号墳出土の武具を主なモデルとするが、冑は大阪府七観古墳出土のもの、篭手は岡山県天狗山古墳
   出土品が原型である。
        古墳から出土する甲冑類は、埋蔵による錆と変形により、原形をとどめないものが多い。末永雅雄(1889~1991)が、甲冑
   の復原研究を始めた大正末年から昭和初年頃は、博物館等でも古墳出土の鉄製品が折れたり、砕けたまま、殆ど手つかずに
   発掘同時の状態で置かれていた。末永は、その厄介な出土資料をつぶさに観察し、原形を忠実に復元するというきわめて困難
   な作業をはたし、東アジア文化史の視点に立った出土品の実証的研究にもとづく独自の方法論を確立した。末永の『日本上代
   の甲冑』(創元社、1944年)には、『延喜式』の桂甲の製作工程にもとづいて作業を進めた復元研究の記録がある。
     なお、古墳時代の鋳造による鉄密度を再現できなかったため、甲の曲率を整えることを優先させ、復元品の鉄の重さは全部
   古墳時代のものの半分で、鉄板の厚さはほぼ原品に合わせてつくっている。

  

和歌山県淑浜(はじかみはま)古墳出土の蒙古鉢形冑と裲襠(りょうとう)式挂甲(けいこう)の組み合わせを復元したものである。
     古墳から出土する甲冑類は、錆による融着と劣化変形により、原形をとどめないものが多い。末永雅雄先生は、小板(こ
   ざね)の破片を一枚ずつ図面におこし、甲冑に復元するという地道で緻密な研究を積み重ねられ、昭和9年に『日本上代の
   甲冑』を刊行、同11年に帝国学士院賞を受賞されている。

                                                                            END


最新の画像もっと見る

コメントを投稿