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チュニジア革命

2017-02-20 15:19:58 | 日記

2月18日(土)、生涯学習吹田市民大学の、大阪学院大学講座が開催されました。
テーマは「アラブの春」の先駆けとなった「チュニジア革命」でした。

受講者は200人ぐらいでしょうか? 年齢的には60歳代、70歳代ぐらいの方が多かったように見受けられました。
男女比率は6対4ぐらいでしょうか。みなさん生涯学習の意識をお持ちのようでした。

実体験された方のお話でしたので、みなさん興味深く聞かれていました。

                  

4回シリーズで2月18日の講師は、大阪学院大学外国語学部 多賀敏行教授でした。2015年12月まで外務省に勤務され、
アラブの春時はチュニジア大使であったそうです。多賀教授作成の解かりやすい資料を頂きましたので転載します。

1 チュニジアはもともと西欧を向いたアラブの国

   ① IS(イスラム国)に加わっている外国人戦闘員約1万5000人。そのうち3000人ほどがチュニジアの若者。今は、
      その2倍に?
     
      2016年7月 ニースで観光客にトラックが突っ込む。80人死亡。
      2016年12月 ベルリンのクリスマス・マーケットにトラックが突入。10人以上が死亡。

      いずれも実行犯はチュニジア出身者  どうしてチュニジア人ばかり?

   ② 初代大統領ブルギバ、2代目ベンアリもイスラムを封印し、西欧に開かれた穏健な世俗的な国家の道を歩んできた。
      一般のチュニジア人には、イスラム過激主義に対する免疫ができていない。 
      チュニジア革命後に急激に浸透してきた過激なイスラム思想に感化されやすい。
      「報奨金はもらえる、天国に行ける」と言う思想が・・・

2 外国語は出来た方が良い

   2011年1月14日 チュニジア革命勃発
   約180人の在留邦人、約200人の日本人観光客、この人たちをどうやって無事に国外に出すのか
   それ以前からデモ隊と治安維持部隊との衝突、夜間外出禁止令

   1月14日以降、大統領警備隊の残党と正規軍の間で銃撃戦。
   16日と17日は公邸の至近距離で激しい銃撃戦。公邸料理人と二人で公邸の2階に移動。廊下でひたすらうつぶせになって
   流れ弾をよける。

   1月17日夕方、警察車両の庇護のもと、大使公邸を脱出、街中の大使館事務所へ移る。
   戦闘員に間違われないため、ネクタイにスーツを着用。シュールな風景を見る。ベンアリ大統領のポスターがズタズタ。

   警官の隊長に勇気を褒め、感謝をフランス語で伝えた。フランス語で意思疎通が出来て良かった。

   公邸の警備員 Samir が 私に電話。「Soyez Ioin de Ia fenetre(大使、窓から離れてください)」

   チュニジアでは現地の言葉はアラビア語のチュニジア方言、小学校1年から標準アラビア語、小学校3年からフランス語を学習。

3 革命の「英雄」の実像

   2010年12月17日、失業中の青年(26歳)が県庁和前で焼身自殺(未遂)。これがすべての発端。

   青年は野菜果物を販売。しかし無許可。警官(女性)が青年から秤を没収、広場で青年に平手打ちを食わせる。でも、本当は
   警官に対するセクハラ行為があった?

   革命の英雄、殉教者、オバマ大統領まで称えるスピーチ。パリには広場がすでに「ブアジジ広場」と命名された。もう変更はできない。

   失業率の高さ(15パーセント)。豊かな沿海部と遅れた内陸部の経済格差。

   ベンアリ大統領の夫人一族の腐敗、汚職。
   腐敗の詳細 フランス人ジャーナリストのニコラ・ボー著「カルタゴの女性摂政」国内で販売禁止。各国大使競って読む。
   レイラ夫人は「魔性の女」妖しい魅力(品のなさは春日部の安キャバレーのママ?)

   表現の自由の抑圧 La Presse 大統領夫人を褒めちぎる記事ばかり。知的閉塞感とはこういうことか。

4 まだ遠い「アラブの春」

   チュニジア革命の影響を受けてエジプト、リビア、イエメン、シリアなど

   エジプト軍出身のシーシ大統領が実験を掌握
   リビア部族間の対立、まるで二つの国

   チュニジア 独裁者を排除し、まがりなりにも民主化の道を歩んでいるのはチュニジアだけ。でも順風満帆からほど遠い。

   最初の段階で民主化までは求めていなかった。独裁者の汚職、腐敗に対する憤り、不正を取り除いてのぞいてほしい
   という希望が強かった。レイラ夫人一族の無教養、出自の卑しさ、品のなさに国民が反発。

   チュニジア革命(ジャスミン革命) やれば出来るという希望と勇気を他国の民衆に与えたことは確か。

   ソーシャルメディアの役割  チュニジアはインターネットの普及がアフリカで1.2番。チュニジアの若者の大学進学率は
   36パーセント。
   ベンアリを囲む一族が権力を恣にして若者たちは満足に仕事に就けないという社会状況があった。

5 結び

   「歴史とは何か」 
   「歴史とは過去と現在の尽きることのない対話である」

   現在が過去の評価を決める。

   日本を立派な近代国家にしたとされる明治維新
    「明治維新という幻想」という見方もある。

                                                                            END

 

 


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