・ R・ハーリン監督得意のジェットコースター・ムービー。
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ジェーン・ブラックの脚本料が400万ドルという破格の費用で話題となったアクション・ムービー。
監督は「ダイ・ハード2」(90)、「クリフ・ハンガー」(93)のレニー・ハーリンでオスカー女優で妻のジーナ・デイヴィスが主演、「パルプフィクション」(94)、「ダイ・ハード3」(95)で注目されたサミュエル・L・ジャクソンが共演している。
8年前海岸で発見されたサマンサ(G・デイヴィス)は記憶喪失していたが、小学校の教師として夫(トム・アマンデス)と娘(イヴォンヌ・ジーマ)とともに幸せに暮らしている。
ときどき自分が予期しない行動で戸惑うこともあり、過去の人生を知りたくて私立探偵を雇って調べていた。
イヴの夜、交通事故の衝撃で失われていた記憶が断片的に蘇ってくる。そんなとき突然殺し屋が自宅に現れ襲われるが、サマンサは男を倒し止めをを刺してしまう。
ちょうど雇っていた3流私立探偵ヘネシー(S・L・ジャクソン)が持ってきたある情報をもとに、自分の過去を探る旅へ出た・・・。
最大の見どころは、ヒロイン・サマンサが夫と娘を愛する善き妻・母・教師から一転して、政府お抱えの冷徹な殺し屋・チャーリーに変身するギャップを味わうこと。それでもなお娘を想う母親であることを再認識するところは、彼女のイメージには欠かせない。
G・デイヴィスは本来得意とは思えないながら、精一杯女殺し屋を演じていた。吹き替えなしでの湖への飛込みや、水車の拷問にも夫のため?によく耐え、変身ぶりも見事。
ハーリンは終盤シナリオを無視?して、暴走するかのような何でもありのノンストップ・ムービーへ変身させている。とくに橋の爆破シーンには目を奪われる。
この有り得ない展開に、程よく中和剤として絡むのがヘネシーだ。ダイ・ハード3で見せた巻き込まれた運の悪い男を再現。金のためなら法を破ることは厭わないが、情に厚くて命がけでチャーリーをサポートする。S・L・ジャクソンお気に入りの役柄を、嬉々として楽しそうに好演している。
大統領やCIA高官が出てくる政治の駆け引きは如何にも安易だが、ナイヤガラの滝での<ハネムーン計画>は無事終了し、不死身の2人はご帰還というハッピー・エンドで、めでたしめでたし。
面白かったが製作費の回収はままならず、パート2は制作されず、この後ハーリン・デイヴィス夫妻は離婚してしまう踏んだり蹴ったりの顛末は気の毒だった。もっとも得をしたのはS・L・ジャクソンだったかもしれない。