晴れ、ときどき映画三昧

「Re:life リライフ」(14・米)65点



・ 期待を裏切らないロマコメの帝王H・グラントの新境地?




「ノッティングヒルの恋人」(99)、「ブリジット・ジョーンズの日記」(01)、「ラブ・アクチュアリー」(03)など、ロマコメの帝王と呼ばれたヒュー・グラントも、50代半ばで新境地へ挑んだという本作。監督・脚本はコンビ4作目で「ラブソングができるまで」のマーク・ローレンス。

若くしてオスカーを手にした脚本家キース・マイケルズは15年間ヒット作がなく、ハリウッドから見捨てられてしまっていた。

妻子から見捨てられ残された道は田舎の大学(NY州ビンガムトン大)で講師として教えることだった。

就任早々女子学生・カレン(ベラ・ヒースコート)に手を出し、歓迎会では女性教授メアリー(アリソン・ジャニー)と文学論争してハロルド学科長(J・K・シモンズ)をハラハラさせる。

まったく教えることに興味がなく投げやりな授業だったが、シングルマザーのホリー(マリサ・トメイ)など個性豊かな学生たちに触発され、人生をやり直そうと奮闘する姿をコミカルに描いている。

H・グラントの新境地という触れ込みだったが、相変わらずのキャラクターは彼ならではの憎めないダメ男ぶり。ちょっぴり違うのはメアリー教授へのセクハラや学生カレンの誘惑に乗ったものの、惚れたハレタはほとんどなく、ダメ親父の再生物語となっていること。

明るく元気で、ひた向きなホリーが手にした本<Late Bloomers>そのものの<いくつになっても努力すれば実を結ぶ>人生が更生要因のようだ。二人が結ばれるのでは?という安易な予想は裏切られた。

ホリーを演じたM・トメイの絶妙なポジションがこのドラマを心地よいものにしている。

さらに「セッション」の鬼教師とは真逆な涙もろいハロルド学科長に扮したJ・K・シモンズがいい味の好演が目立った。

ハリウッドなど映画ネタも多く、マット・デイモン、スピルバーグ、ベイルマン、クロサワなど映画人名も出て、映画ファンには楽しいジョークも。

気軽に学生たちを利用しようとして逆に大切なことを教えられ、失ないかけていた情熱を取り戻そうとする男の物語。

新境地というより期待を裏切らないH・グラントのホノボノ・コメディだった。
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