晴れ、ときどき映画三昧

「恋に落ちたシェイクスピア」(98・米/英)80点



 ・ 英国の雰囲気満載でオスカー7部門獲得した米国映画


 マーク・ノートン プロデューサー のアイデアを劇作家のトム・ストッパードが脚本化した<若き日のシェイクスピアと豪商の娘ヴァイオラとの虚実を交えた恋愛悲喜劇>。スピルバーグ監督作品「プライベート・ライアン」を破ってオスカー作品賞を始め7部門を獲得した。
 舞台演出家で「Qeen Victoria 至上の恋」(97)のジョン・マッテン監督、シェイクスピアにジョセフ・ファインズが扮し、ヴァイオラを演じたグイネス・パルトロウが主演女優賞を獲得している。

 16世紀末のロンドンではカーテン座とローズ座のふたつの劇場がテムズ川の対岸で競いあっていた。ローズ座付き作家のシェイクスピアはスランプに苦しみながら新作喜劇「ロミオと海賊の娘エセル」を書き上げた。オーディションでトマス・ケントという青年に魅了され主役に抜擢する。
 その晩パーティで出会った豪商の令嬢ヴァイオラと出会ったシェイクスピアは一目惚れ、猛烈にアタック。実は彼女にはエリザベス女王も認めたウェセックス卿という婚約者がおり、トマスは彼女の変装だった。
 自分の恋から発想したシェクスピアは新作喜劇を悲劇「ロミオとジュリエット」に改編執筆する・・・。

 架空のメインプロットを諸々の史実を絡ませながらシェイクスピアの戯曲を引用、シェイクスピアに詳しくないひとにも楽しんでもらえる英国舞台劇の雰囲気満載の映画に仕上がっている。

 主演したG・パルトロウは透きとおるような色白の風貌と宝塚の男役のような不思議な魅力が相まってオスカー獲得となった。ウィノナ・ライダーから役を奪い取ったパルトロウ。ロミオ役を勝ち取ったヴァイオラと重なり、人気俳優ネッド・アレン役のベン・アフレックとも恋の噂があったり舞台裏は賑やかだった。「セブン」(95)で共演したブラピと破局し失意のなか本作で起死回生のヒット作の主演から「ダイヤルM」(98)、「偶然の恋人」(00)とスターダムへと駆け上がって行く。

 シェクスピアのJ・ファインズは兄レイフと比べ線が細いが、舞台出身俳優であることを活かしホンモノ感ただよう演技。

 競演した配役陣は枚挙に暇がない豪華な顔ぶれが揃っているのも見どころのひとつ。
 わずか10分足らずの出演で圧倒的な存在感を示し助演女優賞を受賞したエリザベス女王役のジュディ・デンチを始め、経営破綻寸前のローズ座支配人役のジェフリー・ラッシュ、「イングリッシュ・ペイジェント」(96)でレイフ・ファインズの恋敵役を演じたコリン・ファースがウェセックス卿役でもジェフの恋敵として登場。
 高利貸しで薬屋役をもらって喜ぶヒューフェニマンに扮したトム・ウィルキンソンやふたりの恋を陰から支える乳母にイメルダ・スタントンなどがそれぞれの出番で実力を遺憾なく発揮している。

実在の人物をモチーフにコミカルなテイストで歴史の1ページを切り取ったようなこのラブコメディは三谷幸喜が大好きだというが納得だ。
 
 

 


 
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