「しずおか木造塾(基礎編)」第2講座[中部編]

 土曜日にしずおか木造塾(基礎編)第2講座が開かれました。第2講座は静岡県の東・中・ 西で見学授業が行われます。今回は私ども静岡県中部地区の青年委員が中心となって「大井川水系の木材について学ぶ」という見学授業を行いました。

 午前中は金谷で製材工場を営む落合製材所さんのご協力で、大井川上流の伐採現場で実際に木を切るところを見学させてもらいました。今回は植樹された木ではなく、実から自分の力で大きくなった檜を伐採していただきました。職人さんの手によって大きな音を立てながら倒れる木を見ることで、いつも現場にある製材されてしまった木ばかりを見て忘れてしまっている、木の生長の歴史の長さと活きている木を伐採して使うことの意味を改めて考えました。

 昼食後はまず大井川小径木加工協同組合さんの工場を見学しました。大井川近辺は昔から長いまっすぐな材が取れることで有名なのだそうです。そのため、ここは6mという長尺物を扱うことのできる機械が設置されている全国でも数少ない製材工場ということでした。ここでは基本的に柱となる材を取り扱っているとのことです。また、品質の確かな材を供給するために材の含水率と強さを瞬時に計測し、材の側面にその値を表示することのできる機械もありました。輸入材に負けないよう、品質の高い地元材を供給しようとして取り組んでおられる方々の取り組みを感じることができました。

 次に午前中に伐採を見せてくださった落合製材所さんの工場を見学しましました。こちらでは梁材や板材といったいろんな形状の材が生産されています。また、工場の一部に天然乾燥を行っている材が置かれていました。杉の梁材などは時間をかけて乾燥を行った方が色つやがきれいになるということで、天然乾燥を採用する方もいるのだそうです。木材を使っていく中で乾燥の方法も含めて適材適所に使っていくことが大切ということです。

 最後に丸天星工業株式会社さんでJパネルの製造工場を見学させていただきました。Jパネルというのは、板材を横に並べて張り合わせ板を作り、それを向きが直行する形に三層張り合わせて作られる厚さ36mmのパネルです。最近では建築雑誌などでもたまに使われていたりする材料です。地元の材を有効に使うために考え出された静岡生まれの材料で、現在は全国で3つの会社が生産しているとのことです。私も使ったことがありますが、そのボリューム感と素材感には独特の魅力があります。地元で作られているわけですから、今後もうまいかたちで使えるチャンスがあれば採用していきたいと思います。

今回は過密スケジュールでしたがおおきな遅れもなく無事見学会を終了することができました。しかし、各見学場所でもう少し時間が取れれば良かったと思いました。それでも、地元大井川の木について考えるきっかけを得ることができたのではないかと思います。
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