連休に長野に行ってきました、そのとき見てきた建物です。千曲市にある「更埴体育館」、合併する前の更埴市の体育館です。これまでも気にはなっていたのですがなかなか寄って見る機会がありませんでした。今回は時間に余裕があったので子供を敷地内の公園で遊ばせながらゆっくり見てきました。
建てられてからかなり年月が経っていると思われます。コンクリート打放しの外壁、和の雰囲気を漂わせる屋根、よくみるとかなり凝ったデザインをしています。両サイドに持ち出した2階を支える頬杖のような柱はそのまま2階を貫通するように屋根を支えています。1階と2階をつなぐ折り返し階段の踊り場の下に柱を作らず浮かせてあり、なぜかその裏だけ紅色に塗られていました。ガラス面の分割もさりげなくデザインされています。そのほか雨樋の処理や床下の換気スリットなど細かい見所がいくつかあります。一方でこの微妙な曲面や傾いた面などを施工するには手間がかかったと思われます。
その地域ではなんでもない見慣れた体育館をカメラ片手にぐるぐる回って見ている私をタクシーの運転手さんが不思議な顔で見ていました。設計者、施工者をインターネットで検索してみましたが分かりません。裏には軽トラやトラクターが置かれていたりして地域の中になじんでそれほど注目されることのない建物ですが、設計者と施工者のパワーが感じられる興味深い建物でした。