故郷≪新潟≫の日々

満65歳で中国・黒龍江大学を定年退職した後、生まれ故郷の新潟に戻り、日々の生活を写真とともに日記風に綴っていくもの。

No.1.096 「何くそ根性」のお話。

2016年12月31日 | 日記

先日、高校の軟式野球部の先輩と一緒にお酒を飲む機会があった。先輩は5年前に病院でガン(癌)との闘病生活を送っておられた。その先輩がカバンの中から筆ペンで書かれた白い紙を取り出し、私に見せてくれた。


そこには「何くそ根性だ 敵はもっと苦しい 負けてたまるか 俺は絶対に勝つぞ」と書かれてあった。先輩の説明によると『入院当時は「抗がん剤」投与の影響で極端に食欲がなくなり、食べないと体力が落ちる。紙に書いた≪敵≫とはガンのことである。という。


自分の体力が弱っては、対戦相手のガンに負ける。無理をしてでも「何くそ根性」で食べ、栄養を摂取しなければならない。この紙を病室の見えやすい場所に張り出して必死に頑張った。病室に入って来た看護師さんからも「その心意気ですよ!!」と励まされたという。


この「何くそ根性」で病魔との戦いに勝利した先輩は、明るい笑顔で私に向かって入院生活を力説された。先輩の筆舌に尽くしがたい努力に心を打たれると同時に、人生や野球にも通用する言葉だと痛感した。


先輩が私に見せてくれた自筆の紙。