小林美希の取材日記(つぶやき)

取材を通して思う素朴な疑問や、日々の出来事を紹介します。 

反日デモに思う

2012-09-17 14:21:56 | Weblog

 2008年に発刊された「ルポ”正社員”の若者たち」(岩波書店)のなかで、中国に進出した日系企業のなかの雇用問題を書いた。

 人件費が安いことで中国にいくわけだが、現地の中国人や日本人の若者を現地採用して、同じ仕事をしながら大きな賃金格差をつけていた。日本から派遣される駐在員は、中国語もできず、日本では係長クラスでも中国法人では「社長」。そこに納得いかないでいる中国人は多く、さらに、その駐在員は現地で無礼な行動をとっていることが少なくなかった。

 私自身も体験したが、広州で某総合商社大手の駐在員が普通のバーで「自分は●●社の人間だ」と言って、大会社の看板を誇張し、若い中国人をナンパして泥酔させ、膝の上に乗せていた。私も日本語ができる中国人と間違われ、かなり、しつこい目にあって、頭にきたので、日本の記者だというと逃げるようにして去っていった。

 数年前も反日デモが起こったが、そんな素地があるから、何かのきっかけで暴発するのは当然だと思っていたのだ。

 海外に進出するなら、または外国人を受け入れていくなら、互いに尊重しあえる関係を築かなければいけない。

 利用する、される、ということに人間は敏感なものだ。真摯にやっていきたいものだ。