クラシックな音楽的生活

日々、家の中にヴァイオリンとピアノの音が流れています。

神懸かっていた

2023-01-27 | 日記



休憩後は、サン・サーンス 交響曲 第3番 

オルガン付き」。

上の娘は、小林研一郎先生率いるオーケスト

ラのメンバーとして、サントリーホールで

したことがあるそうです。


ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の時か

ら思っていたのですが、コンサートマスター

の石田さんが素晴らしいです。

コンマスですから当たり前とはいうものの、

オーケストラ全方位に意識を向け、指揮者と

のアイコンタクトも多く、特に1stヴァイオ

リンの音をよく聴いているのが物凄く伝わっ

て来ました。

と同時に、見た目のいかつさとは裏腹にとて

繊細な方なんだろうな…と感じました。

コンマスとして身振りで後ろに合図を送り、

隣の席に座っている東亮太さんには、過剰な

ほど寄り添って、ご自分の音を聴かせている

ようでした。

東亮太さんは2019年の日本音楽コンクールで

第一位となった若手ヴァイオリニストで、神

奈川フィルの団員ではありません。

なぜその席に座っているのかわかりません

が、テクニックが高くソリスティックに弾き

がちになってしまうのを、オケで弾くという

のはそういうことではないよと嗜めている感

じがしました。

神奈川フィルを聴くのは初めてで何も知ら

い私が言うのもおかしな話なのですが、もし

かしたら、今回の演奏、神回だったのではな

いかなと勝手に思っています。

なんというか、ものすごく神懸かっていまし

た。

曲が終わった時、コンマスの石田さんは泣い

てらしたんじゃないかな。

私は途中から号泣でした。

団員全員が、もちろん指揮者も、それぞれの

最高を出し切っていたように感じました。

その立役者が、オルガニストのアレシュ・バ

ールタで、彼がまるでオーケストラを高みに

誘う天使のように見えました。

私の席はオーケストラ全体を見下ろせる場

だったので、曲が終盤に向かうにつれ、楽団

一人一人が発するエネルギーがぽわんぽわ

んと立ち上って来るのが目に見えるくらいわ

りました。

本当に素晴らしい演奏でした。

割れんばかりの拍手がなかなか鳴り止まず、

何度も何度もアンコールが続く中、達成感に

顔を輝かせる団員とは一線を画し、パイプオ

ルガンの前に立つアレシュ・バールタは、本

当に神様なのでは?と思うほど、柔和で、慈

しみ深い笑顔をたたえていたのが印象的でし

た。



soup stockにて、スープ2種と白胡麻ごはん