自家製のチャーシューと日本から空輸している麺は食べる価値あり!
スイス最大の観光スポット、ユングフラウヨッホの中継地であり、美しい二つの湖に囲まれた観光都市のインターラーケン。全世界から観光客が集まる街であり、あらゆる人種が集う場所でもある。街を歩けば、あらゆる言語が飛び交っているのを見ることができる。
そんな国際的な観光地であるインターラーケンには、一軒だけ日本レストランがある。それが、『加賀』だ。加賀は、インターラーケン東駅から徒歩7分くらい。西駅からだと15分くらいの場所にある。メインストリートから一つ路地に入ったところでひっそりと営まれている。
小さな店内は、テーブル席が4,5つある。カウンター席もあるが使用されていなかった。加賀のメインはお寿司、和食なのだが、ラーメンも自慢の逸品として提供されている。メニューも、和食のメニューとは別のメニューに書かれていて、力の入れ具合が分かる。種類は、ラーメン(16フラン)とチャーシューメン(21フラン)の二種類。今回はチャーシューメンを注文。
まず特記すべきは、プッツンプッツンとした食感ののど越しの良いツルツル麺だ。麺がとにかく旨くてビックリした。これは自家製か?!と思うくらいに弾力性の富んだ麺だった。それから、自家製のチャーシュー。このチャーシューが抜群に旨かった。箸で持ち上げただけで、ホロホロと崩れてしまうくらいに柔らかい肉なのだ。味わいも深みのある濃いもので、武骨にざっくりと切られたチャーシューだった。厚みもある。このチャーシューだったら、「チャーシュー丼」として提供しても十分に満足してもらえると思った。トッピングは、ほうれん草とネギ。メンマはない。スープは、醤油の味の立った鶏がらメインのスープ。かえしの味が強く出ているかな。スープそのものは結構淡白で、いわゆる「昔ながらの中華そば」といった感じ。
おそらく、この加賀には、日本全国各地からお客さんがやってきている。海外のお店の特徴かもしれない。全日本人の口に合うラーメンというのはなかなか見つけることはできない。ただ、それを加味しても、ちょっとオーソドックスすぎるかな?とも思う。麺とチャーシューがこれだけ美味いのだから、あとスープを改良すれば、かなりハイグレードなラーメンになると思った。方向性としては、①醤油の味をもっと強めた濃口醤油ラーメン、②魚介系醤油ラーメン、③豚骨醤油ラーメン、④鶏がらをさらに強調した鶏ラーメン、こういった方向性がある。いい醤油が用意できれば、①は可能だろう。②は、魚節の入手が困難な海外では難しいかな。③は、豚骨(ゲンコツ)の入手ルートがあれば可能だろうけど、手間がかかるから現実的には難しいかな。④もやっぱり手間がかかりすぎる。そういう意味では①が最も現実的かな。。ただ、個人的には③の豚骨醤油系がいいかなと思った(大阪からくる人が多いと言っていたので)。
いや、とても生意気なことを書いてしまった。が、やはり、麺とチャーシューがこれだけすごいのだからこそ、やはり書きたくなる。日本と比べるのもなんだが、やはり世界のラーメンはレベルが低い。もし加賀のラーメンのスープが改良されたとしたら、ドイツ語圏の中でも確実にトップクラスになるだろう。立地的にも、舌の肥えた日本人の目に触れる良い場所にあるだけに、今後の動向に期待がかかる。
*ご主人のユニークなお人柄も魅力的。奥様とお二人だけで営業されており、忙しそう。しかし、料理にかける情熱はたしかなものを感じた。また是非ここのチャーシューメンは食べたい!と心から思った。
加賀
Jungfraustrasse 47
3800 Interlaken
033-821-2066
こちらでも紹介されています(ラーメン記事なし)
スイスの和食レストランリストにも掲載されています。
こちらのブログでも高い評価を得ています。